古賀市議会定例会の本会議が本日開かれ、議員の皆さんから私に対する一般質問が行われました。利便性の高い地域公共交通ネットワークの形成もテーマになりました。
古賀市は今年度、市として初めて、市民の皆さんの移動の利便性を高めるための市全体を俯瞰した総合的な計画(地域公共交通網形成計画)を策定しました。これに基づき、令和6年度までに具体策を推進していく段階にあります。
公共交通ネットワークの問題を考えるに当たって重要なことは、100人いれば100通りのニーズがあり、万人が完全に満足できる形をつくることは不可能であるということです。多様なニーズの調和点を見出し、地域社会の最適解を導くしかありません。このため、行政としては多くの人に利用しやすい公共交通ネットワークづくりをめざしますし、市民の皆さんには「現に存在する公共交通ネットワークにライフスタイルを合わせて利用する」ということを念頭に置いていただきたいと思います。
まず、この計画策定に当たっての調査の結果、西鉄バス古賀市内線は重要な役割を担っており、これを維持することが重要です。そのうえで、一部で市民の皆さんの移動ニーズにマッチしない現実も明らかになっているため、地域の意向を踏まえながら、西鉄バス古賀市内線と公共施設等連絡バス(コガバス)の「一体的な見直し」が必要であると考えています。これが考え方の大きな柱になります。
そのうえで、西鉄バス古賀市内線やコガバスといった定時定路線の運行では十分に対応できないニーズについても、できるだけ細やかに対応していく必要があります。この点、古賀市にはタクシー会社さんが2社あり、協力して新たな仕組みを構築していくことも可能と考えています。また、AI(人工知能)などの新技術の活用も検討していきます。
新たに策定した計画は、①市外への外出を確保する鉄道・広域路線バスの維持及び駅の交通結節機能の強化②利便性と効率性が確保された市内交通ネットワークの構築③移動ニーズに細やかに対応する交通サービスの確保④公共交通の持続可能性に向けた取組の推進――の4つの基本方針を掲げています。
そして、これに基づき、具体的に何をどのようにしていくのか。これも計画に記載しています。枚挙にいとまがありませんが、例えば、先に挙げた西鉄バス古賀市内線とコガバスの一体的な見直しの中には、薦野系統について、「青柳四ツ角経由と筵内経由の運行頻度の最適化を図る」「筵内経由の利用の少ない区間については、経路の見直しを検討する」と、その方向性の案を示しています。また、駅や公共施設、集落拠点のバス停におけるベンチなどの待合環境の整備も掲げています。詳細はぜひ計画をご一読いただきたいと思います。
今後、どのような公共交通ネットワークを新たにつくっても、なお市民の誰かのニーズに十分応えられないという状況は必ず生まれ、様々な意見が出ると思います。それでも、現状よりも良いネットワークの形成は責務であり、政治家としてリスクを回避することなく、覚悟をもって決断し、これを実現する考えを答弁で申し上げました。
また、コロナ禍における市の事業の継続についてもご質問をいただきました。市民の皆さんとの双方向のコミュニケーションが平時よりも困難であるものの、その「声」を市政運営に反映するため、創意工夫と想像力をもって取り組んでいることを申し上げました。なお、第5次総合計画の策定に向けた地域における対話集会(タウンミーティング)については、9月下旬から、感染防止対策を講じて再開する方針を明らかにしました。
このほか、
▽JR古賀駅西口エリアの本質的な再生に向けては市内外の多様な主体とりわけこれまで長く活性化に取り組んできた方々の「心」をつなぐマネジメントが重要であること
▽今年度中に西鉄宮地岳線跡地の中川区エリアは詳細設計を進め、花見南区エリアも合意形成に向けて取り組むこと
▽今回の台風10号は気象予報を参考にタイムラインを意識し、災害警戒本部の立ち上げと対策本部への移行、避難所開設、避難勧告のタイミング、職員配置体制等を予め決めたうえで、市民の皆さんに防災情報を発信し、避難行動を促したこと
▽企業誘致と土地利用転換を確実に進め、トップセールスにも引き続き力を入れること
▽SDGsの「誰一人取り残さない」という基本理念を大切にしながら市政運営をしていく重要性と、これは第5次総合計画策定に当たって必然的に据えるべき視点であること
▽国勢調査を正確かつ円滑に実施していくこと
▽砂防堰堤の機能が発揮されるため、確実に維持管理していくこと
などについて申し上げました。
多岐にわたるテーマでご提起いただき、ありがとうございました。一般質問でいただいたご意見は今後の市政運営に生かしていきます。
投稿者:【mayor2010】
2020年09月08日 18時31分
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