「今、あなたが変わるとき」――2012年度のみんなの人権セミナーは全6回開催されますが、その第1回セミナーが4日、古賀市役所第2庁舎大会議室で開かれました。NPO法人はぁとスペース代表の山本美也子さんが、昨年2月9日に粕屋町で発生した飲酒運転事故で、高校1年生の息子の寛大君と同級生の尊い命を奪われた悲しい経験を通して、「思いやりで社会を変える~飲酒運転撲滅への願い」をテーマにお話されました。満席になった会場では、山本さんの話に胸が熱くなり、ハンカチで目頭を押さえる光景があちらこちらで見受けられました。
山本さんは、車いすマラソンランナーとして世界で活躍されているご主人や障がいを持つ子どもたちを支援するための活動を始められ、平成23年3月にNPO法人を立ち上げ、車いす優先駐車場マナー啓発運動や障がい者スポーツ支援などを行っています。そんな時に息子さんを亡くされ、その直後から飲酒運転撲滅活動に取り組まれ、命の大切さや飲酒運転によって引き起こされる悲劇などを各地で訴えています。古賀市では初めての講演となりました。
山本さんは講演で、「飲酒運転は殺人です。一見ごく普通の人が『ちょっとだから』などと理由を付けて正当化してしまうことで起こるのです。私たちは、いろんな所で飲酒運転撲滅を言い続けるしかありません」と語り、飲酒運転ゼロの社会が当たり前になるよう、撲滅への取り組みを会場の皆さんにも熱く訴えられました。
なお、講演会終了後には、山本さんと交通安全協会、古賀市料飲店組合、食品衛生協会、県トラック協会、タクシー協会の関係者や参加者たちで、市役所前からサンリブ古賀店まで、「飲酒運転を撲滅しよう」「交通ルールを守ろう」とシュプレヒコールしながら行進しました。サンリブ敷地内では、買い物される市民にチラシを配布する啓発活動も行いました。
飲酒運転という多大なる人権侵害によって、若くして命を落とされた寛大君の無念さを少しでも知ることで、私たちの周囲にも飲酒運転の恐ろしさ、危険性について、切実に伝えていかなければいけないとの思いを強くしました。
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平成24年度セミナーの2回目以降の予定は次の通りです。
第2回=9月15日10時半~12時半、サンフレアこが視聴覚室で、ジャーナリストの稲積謙次郎さんが「メディアと人権~言葉の力と発信者の責任」と題して講演▼第3回=10月16日9時~17時半、古賀市役所を出発し阿蘇へ、「生きる輝きにふれる旅in熊本」(要予約)▼第4回=11月17日10時半~12時半、サンフレアこが視聴覚室、ふくおか・こどもの虐待防止センターの松浦恭子さん、「つながろう 子どもの笑顔のために~自治体と民間との共同の取り組みを」▼第5回=12月9日13時~15時、リーパスプラザ2階大会議室、絵本作家の長野ヒデ子さん、「ひらがなにっきと私」▼1月27日13時半~15時半、リーパスプラザ大ホール、NPO法人地球のステージ代表理事の桑山紀彦さん、「みんなの心 元気になーれ~地球のステージ6」。
問い合わせは人権センターWith(ウィズ)=電話092-942-1128へ。
投稿者:【mayor2010】
2012年08月08日 15時34分