古賀市議会は18日も本会議を開催し、一般質問を継続しました。安全・安心な地域社会づくりに関する質問・提案が目立ちました。
犯罪の被害にあった人や家族の権利は保障されなければなりません。しかし、被害を受けた後、周囲の様々な言動、インターネットでの誹謗中傷、過剰な取材活動などにより、精神的な苦痛や体調不良、名誉棄損などの「二次的被害」を受けることがあります。このため、二次的被害を防止し、総合的な支援体制を整備することが求められるようになっています。実は、福岡県議会は私が議員在任中の2018年2月定例会で、議員提案で犯罪被害者等支援条例を制定しています。
本日は議員の方から、犯罪被害者支援のための条例制定についてご提案があり、大変有意義でした。私は県議時代の経験から、被害者支援体制の充実を図ることの重要性を認識しており、市長就任後、条例制定に向けた検討を既に指示しています。これを踏まえ、この日の答弁では「条例について既に調査を始めており、県や先行自治体の事例を参考にし、その必要性も含め検討していきたい」と申し上げました。
自転車の安全利用と事故防止も大切なテーマです。こちらも私が県議時代、「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」を県として制定しており、自転車保険への加入が努力義務化されています。質疑では、加入について、全小中学校で自転車利用に伴う個人賠償責任を補償した県PTA連合会の総合保障制度を案内するとともに、努力義務化されていることの周知を進めていることなどについてお答えしました。
通学路における子どもの安全確保については、国が示している「登下校防犯プラン」に基づき、市内各小学校の危険個所を抽出し、市教委や学校、粕屋警察署による合同点検を既に実施しています。また、安全マップの作成や地域の「見守り隊」の皆さまの活動などの支援に取り組んできました。質疑では、見守り隊との連携強化のご提案などがありました。あわせて、防犯カメラの設置について、私から、これから既存の道だけでなく新たに整備される道等も含めて「犯罪の抑止効果もあり、安全対策の手段として検討を進めていく必要がある。PTCAや学校からの要望、地元の意見、プライバシー保護の観点からの設置の妥当性、警察の助言などを参考にし、必要性も含め検討していきたい」と申し上げました。
年々、高齢化が進んでおり、福祉政策の充実が求められており、この日もテーマになりました。古賀市では住民の皆さんが主体的に取り組む「ヘルス・ステーション」をはじめとして介護予防・健康づくりの事業で成果も上げてきていますが、市内各地で地域差が生じないように努めていかなければなりません。また、高齢者の孤立防止のための地域との連携、家庭で介護を支える現役世代への支援などについても提起がありました。
NHK大河ドラマの招致についてもご質問をいただきました。現在、柳川市を中心に「立花宗茂と誾千代」を大河ドラマにしようという活動が盛り上がっています。戦国時代の武将として高い人気を誇る立花宗茂とその妻・誾千代とは、現在の古賀市薦野を本拠としていた薦野増時と米多比を本拠としていた米多比鎮久が重要な家臣であったことから、古賀市もとても縁が深く、私は5月23日に招致委員会の金子健次・柳川市長を訪問し、連携協定に調印。6月1日付で招致委員会に加盟しました。
質疑では、招致活動に参加する意義と今後の取り組みを問われ、「大河ドラマの招致活動は、市民の皆さまが地域の歴史や文化に強い関心や愛着を持っていただくきっかけになるとともに、本市のPRにもつながることから、それ自体に大きな意義がある。まずは広報紙やHP、SNSなどを通じて立花宗茂と誾千代の歴史や、薦野増時と米多比鎮久の関りなどを市民の皆さまに知っていただいたり、招致委員会の活動を紹介したりするなどして機運を醸成するとともに、薦野の歴史をつなぐ会や米多比の歴史を学ぶ会、道雪会など自らの地域の歴史を掘り起こし、地域の振興につなげようとされている地元有志の皆さまの活動としっかり連携しながら、市全体の取り組みに広げていきたい」と申し上げました。
10月17日~20日に古賀ゴルフ・クラブで開催される日本オープンゴルフ選手権は古賀市をPRする絶好の機会です。現在、古賀ゴルフ・クラブと定期的に協議し、ボランティアスタッフの募集や駐車場の確保などの支援を行うことにしており、加えて、特産品の販売なども検討しています。答弁では「クラブの皆さま、地元の皆さまと力を合わせ、本市の活性化と全国へのアピールの方策について取り組みを進めていく」と決意を申し上げました。
前日に引き続き、道の駅に関する質問もいただきました。特に、整備の可否を意思決定する際、長期間にわたる市の財政負担が必要となることから、事業収支計画や経済波及効果を慎重に精査する方針について申し上げました。また、議員の方から、「歴史的な視点から道の駅を考えるべき」という新たな提案もありました。醍醐天皇の命により編纂が始められた「延喜式」に、大宰府から都につながる古代官道が現在の古賀市内を通り、「席打(むしろうち)駅」があったことが記録されており、あらためて古賀市が古来より交通の要衝だったことが分かります。私からは、古代官道の駅には馬が置かれていたこと、古賀市には馬渡(ヒンドー)という地名が残っていること、国史跡船原古墳からは「国宝級」とも評される金銅製の馬具が多数出土していること、古賀市筵内には福岡県馬術競技場があることなどを挙げながら、道の駅を整備するかどうかに関わらず、こうした歴史を地域資源ととらえ、まちづくりを進めていくことが大切であり、今後も強く意識していきたい旨を申し上げました。
投稿者:【mayor2010】
2019年06月18日 17時10分
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