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市長室ブログ

まちづくりで新たな方針も表明―施政方針質疑と大綱質疑(3月3日)

古賀市議会定例会は3日、私の施政方針演説に対する質疑と議案の大綱質疑を実施。まちづくり全般をテーマに延べ11人の議員さんから質問をいただき、答弁では新たな方針も明らかにしました。答弁を基礎にまとめ、以下に速報します。市政全般にわたるので主なテーマになりますが、それだけでも当然長くなります。ご容赦ください。

古賀市議会定例会2日目

<新型コロナウイルス対策―ワクチン接種体制の構築や事業者支援>

まず、新型コロナウイルス感染症への対応の強化です。緊急事態宣言の対象地域でなくなったとはいえ、危機が継続していることを前提に市政を運営しています。直近では、ワクチン接種について、一日でも早く接種ができるよう、現在、医療機関との調整や、集団接種場所の確保、コールセンターの設置、予約システム導入などの準備を進めています。私自身、2月中旬に粕屋医師会長、基幹病院である福岡東医療センター、古賀市の代表を担っている医療機関を訪問し、ご協力をお願いさせていただきました。また、市民の皆さんに正確な情報を提供することで、安心して接種できるよう努めていきます。

コロナ禍における事業者支援については、起業・創業や、経済環境の変化を受けて新たな取組に挑戦する個人事業主や中小企業を下支えするための新規事業を令和3年度当初予算案に盛り込みました。また、今年度補正予算で、最新の抗原検査キット(高精度)を市独自に備蓄し、保育所・幼稚園や小学校、高齢者施設などで陽性者が確認された場合、これを無料で配布して無症状者のスクリーニング検査に活用する取組も、事業継続を支援する目的で立ち上げました。

古賀市はこれまで国や県に先んじて、事業者の皆さんへの緊急支援金の給付や、地域消費を喚起する「PayPay」と連携したキャッシュレスの推進などを独自に実施してきました。今年に入って、2回目の緊急事態宣言で厳しい状況が続く中、国は時短要請に応じた飲食店などを対象に追加の支援金、加えて、県は2日の県議会本会議でその対象とならない県内の事業者に支援金を給付する方針を明らかにしています。市としては、今後も経済対策が必要と考えており、こうした国や県の支援も踏まえ、事業者の皆さんの状況の変化に即応した取組を行っていく方針を明らかにしました。

<デジタル化の推進―専門部署を設置、高齢者対策も展開>

今年度からデジタル化を強力に推進しています。この間、市政を運営する中で、庁内でデジタル化推進を統合的にマネジメントする機能を強化する必要性を感じたため、令和3年度から総務部に「デジタル化推進を専門的に担う新たな課」を設置することを決めました。

そのうえで、政府の自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)推進計画などに基づき各種施策を順次展開していきます。具体的には、行政手続きの簡素化・利便性の向上に向けた押印の廃止やペーパーレス化、オンライン化の検討、AI・RPAの利用推進、庁内におけるテレワークやオンライン会議の推進、セキュリティ対策の徹底などを予定しています。また、デジタル化の基盤と位置付けられるマイナンバーカードの普及促進も重要なポイントとなるため、しっかり取り組んでいきます。また、公共施設や地域の公民館・集会所へのWi-Fi環境整備も検討していきます。

デジタルデバイド(インターネットやパソコン等の情報通信技術を利用できる者と利用できない者との間に生じる格差)の対策にも乗り出します。特に高齢者は、スマートフォンなどのデジタル機器が利用できるかどうかで、その生活の質に、より大きな格差が生じると危惧されるため、利用を促進することが必要です。このため、その利便性やメリットなどについて啓発を行います。令和3年度は「古賀市まちづくり出前講座」でスマートフォンがどのようなものかを紹介する講座を計画。また、高齢者のスマートフォン保有の動機付けが必要であり、その有効な手段の一つとして、福岡県が「ふくおか健康づくり県民運動」として取り組んでいる「ふくおか健康ポイントアプリ」に、古賀市として参加し、こうしたアプリの利用促進の機会を捉えて、スマートフォンのメリットについて周知啓発を行っていきます。

施政方針演説に対する質疑

<JR古賀駅周辺の中心市街地活性化に向けて着実に前進>

市政運営の「1丁目1番地」に位置付けるJR古賀駅周辺の活性化。東口については、令和3年度に基盤となる道路などの都市計画決定、令和4年度に用途地域及び地区計画の都市計画決定をめざしており、着実に準備を進めています。都市計画決定の後、用地交渉や実施設計、整備工事へと進んでいく流れです。完成目標年度については、概ね10年先の街並み形成をめざしています。

西口については、令和2年度からエリアマネジメント支援業務委託を実施ており、令和4年度末までの3年間で、西口エリアの将来像を描く活性化ビジョンの作成、まちづくりを担う組織や拠点づくりができるように支援をしていきます。特に、商業の活性化には、商店の新たな展開や将来の事業承継を考える必要があり、創業しやすい環境や土壌であるかが重要です。このため、令和3年度当初予算案に空き店舗のリノベーションなどを支援する内容を盛り込んでいます。

<薬王寺に「温泉×新ビジネス」の拠点形成―国交付金も活用>

薬王寺温泉の休業旅館の建物をサテライトオフィスやシェアオフィス、コワーキングスペースなどのインキュベーション施設にリノベーションし、「温泉×新ビジネス」の拠点形成を進めています。政府も昨年12月末に同趣旨の「地方創生テレワーク交付金」を創設し、地方への新しい人の流れの創出、地方における魅力ある働く環境、新しい生活様式に必要なテレワークの地方での普及などによって東京一極集中の打破と地方分散型社会をめざしています。古賀市としては国の交付金を存分に活用し、コロナ禍によるピンチをチャンスに変えていくため、施設の充実と入居・利用企業の誘致を積極的に展開していきます。

なお、福岡県の服部誠太郎副知事(知事職務代理者)も2日の県議会本会議における自民党県議団さんの代表質問への答弁で、企業誘致とテレワークの推進のため、企業のサテライトオフィス設置やリスク回避のための機能分散の動きに迅速に応えていく必要性に言及。市町村とも連携して県内各地で戦略的な企業誘致を図っていく考えを明らかにしています。こうした県の動きにも呼応していきたいと考えています。

<地域公共交通のネットワークの形成―最適化を検討へ>

令和3年度は、地域公共交通網形成計画(令和2年6月策定)に基づき、各種施策を実施します。交通ネットワークの再構築に向けて、西鉄バス古賀市内線の薦野系統と小竹系統について、経路の見直しや運行頻度の最適化を検討します。あわせて「コガバス」の運行内容の見直しも検討する予定です。地域住民の皆さまの関わりを生み出しながら取組を進め、効率的で、利便性を向上させる効果の高い見直しをめざしていきます。加えて、現行の路線バスでは十分に対応できていない市民の移動ニーズへの対策として、AIなど新技術を活用したデマンド運行バスなどの導入について積極的に検討していきます。

まちづくり全般をテーマに延べ11人の議員さんから質問をいただきました

<地域防災力の強化―災害の記憶を風化させない取組も>

大規模災害がいつどこで起きるか分からない中、防災体制を構築しておくことが必要です。防災の肝は、公助の充実とともに、自助・共助の体制の構築であり、自助・共助の実効性を高めていくためには、風水害適応リテラシーのある市民を増やしていくことも重要です。古賀市は令和3年度、ゲーム型防災研修プログラム「風水害24」を活用し、ファシリテーターを養成していきます。

また、昨年の台風の際、古賀市は避難勧告を発令し、避難所の開設・運営などを経験しましたが、現場で対応する中で様々な知見を得られました。その中で、避難場所を事前に把握していないケースがあったり、自宅に3日分の水や食料品などを備蓄していないケースがあったりしました。こうしたことから、市民の皆さんへの啓発を一層行っていかなければならないと考えています。以前に全戸配布した古賀市総合防災マップの見直しを進めており、完成次第、紙ベースで冊子として各戸に配布する予定です。

また、大規模災害の記憶を風化させない取組も求められます。東日本大震災発生からまもなく10年。市としては、毎年、市役所庁舎玄関付近に献花台を設けるとともに防災無線による黙とうの案内と発生時刻の14時46分にサイレン吹鳴を行っています。職員による出前講座では、児童・生徒を対象とする際は「釜石の奇跡」に必ず触れています。同世代の児童生徒が防災の中心的な役割を担ったことが強い印象を与え、防災意識を高めるとともに、次の世代への震災の記憶の伝承にも寄与していると考えています。

<生活困窮者対応―コロナ禍の就労支援や家計支援も>

生活に困窮された高齢者への対応については、きめ細かくお話を伺った上で、その世帯の状況に応じた制度やサービスをご紹介するなど、生活困窮者自立支援窓口で継続的な支援を行っています。また、コロナ禍で職を失われた方などには就労支援や家計収支の見直しなどの専門的支援も行っています。令和3年度からは、高齢者、子ども、障がい、生活困窮などの属性に関わらず受け止め、どのような相談も断らない「包括的な相談支援体制」の構築のため、地域包括支援センターと一体化した総合相談窓口を設置し、連携機能を強化することにしています。

<郷土愛の醸成―郷土読本を作成し、学校の授業でも活用へ>

私たちのまちが好き!私たちの力でこのまちをよりよくしていきたい!こうした機運を高めていくことが重要です。令和3年度から、YouTubeやInstagramを活用し、市民や事業者の皆さんとの協働による双方向のシティプロモーションを展開していきます。その中で、シビックプライド(市民としての誇りや愛着)の醸成も図っていきたいと考えています。多くの市民の皆さんが郷土愛を抱き、地域への誇りや深い愛着を持っていただけることが、まちづくりを進める基礎になると考えています。

令和3年度は「郷土読本」を作成します。この編集については、小学生も含め市民の誰にもわかり易い表現で、くらしについて統計資料や写真を用いたり、歴史や名所・旧跡・文化財に昔話、有名人などを紹介したりする内容構成を考えています。活用範囲としては、広く市民の皆さんに見てもらえるよう、ホームページでの閲覧ができるようにし、また、歴史資料館で郷土学習資料として活用し、冊子として必要な方には販売する予定です。さらに、小学3年生を対象に学校の授業でも活用できるように配付し、家庭で活用していただくことも視野に入れています。

道路に愛称を付ける取組のご提案をいただきました。道路や街並みが持つ役割や特色を見出し、市民に愛着を持ってもらうことは大切です。今後、親しみが持てるまちづくりを進めるうえで参考にしていきます。なお、令和3年度に完成する予定の浜大塚線の跨線橋は、その愛称化について検討する方針を明らかにしました。

答弁では新たな方針も明らかにしました

<地球温暖化対策の推進―ゼロカーボンシティ宣言を検討>

社会全体で地球温暖化対策を早急に講じていく必要があります。昨年10月、菅首相は所信表明で「2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする」と宣言したうえで、「積極的に温暖化対策を行うことが経済構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながる」と説き、国の方針が示されたところです。

市としては、持続可能な社会の実現、脱炭素社会への実現をめざすためには、温室効果ガスの排出を抑制する「緩和策」と、あらかじめ地球温暖化による悪影響に備える「適応策」をバランスよく進めていく必要があると考えており、「緩和」と「適応」をキーワードにして各種施策を進めています。その一環として、「ゼロカーボンシティ」の宣言に向けて検討を進めていることも明らかにしました。

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