市民の生命財産を守る消防団は、古賀市になくてはならない存在であり、381人の団員が活動しています。
そのトップである消防団長には、消防経験だけでなく、リーダーとしての人柄などが必要であり、交代する際の人選はとても慎重に行われます。
今年はちょうど2年の任期にあたり、現団長の水上哲実さんの後任を決める必要があります。
市消防団の団長決めには、代々伝わる風習があります。
まず関係者で人選を行い、本人には3日前くらいに通知した上で、関係者全員で本人宅へ説得へ押しかけるのです。
関係者全員とは、市長以下市役所幹部職員、現消防団長以下消防幹部及び全分団長、さらに消防団OBや区長さん、地域の世話役の人たちなど、総勢は60~70人超。
これだけの大人数でご自宅へ伺い、次期団長を引き受けていただけるよう、入れ替わり立ち代り、手を変え品を変え、根気強く説得するのです。
もちろん、良い返事をもらうまでは簡単に引き下がらない覚悟です。
(なお、校区に1人選出される副団長決めも、基本的に同様のやり方で決まります。)
しかし、引き受ける方としても、なかなか二つ返事で了解というわけには行きません。
家業の都合や家族の事情、そして団長という大任。お茶の間の向こう側には70人の説得団。
ここで、お願いする側と引き受ける側双方のドラマが繰り広げられます。
消防団長の仕事は、出動の頻度もさることながら、多くの団員を率いる責任や代々続く消防団を受け継ぐ責任、そして市民の生命財産への責任など、とても大きくて重いものです。
一人の決意だけでは全うできません。そこで、多くの人の信頼が厚いことや、地域、消防、行政など、団長を取り巻く全ての人が、全力で協力することを示す必要があるのです。
こうして、説得は時に深夜に及ぶこともあります。
そして、(快く)了解をしていただいた暁には、これからの団結を誓う固めの杯を交わします。
このような過程を経て決定した消防団長は、文字通り近隣の中でも傑出した人格、見識、そして指導的役割をもった団長と言えます。
今回、次期団長として安武昇さん(新原区)が決定しました。
安武新団長のご健勝とご活躍、そして、全市一丸となって新団長の指揮の下で市の安全を守っていくことを祈念します。
投稿者:【mayor】
2008年01月22日 16時52分