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市長室ブログ

子ども・子育て政策は「未来への投資」―市民委員会シンポジウム in 東京(4月26日)

私が共同代表を務める「子ども・子育て市民委員会」として、東京・平河町の砂防会館でシンポジウムを24日に開催しました。政府が「異次元の少子化対策」を具体的に検討している今、私たち国民一人一人が「自分の問題」として捉え、国民理解を広げ、政治の決断を後押しする機運醸成が必要と考えました。オンライン併用のハイブリッド形式で全国から多くの皆さんにご参加いただき、感謝申し上げます。

登壇


今回の最大のポイントは、「財源」議論の活性化と「真に必要なサポート」は何か。

基調講演は小倉將信こども政策担当大臣をお招きし、シンポジウムでは与野党の政策責任者の方々、子どもを生み育てやすい社会に向けて活動している起業家やNPO、首長の皆さんに登壇していただきました。

大臣


財源を議論するうえで大切なこと。子ども・子育て政策は「未来への投資」であり、社会の持続可能性を高めるための営みだからこそ、社会全体で「誰もが関与すべきもの」という意識改革が必要です。みんなで支えるべきもの。介護保険制度で高齢者という先行世代を支えているように、次の世代を支えるという逆のベクトルが必要との考え方を広げたい。

そのための大前提として、「共働き」「共育て」を当たり前にしたい。そもそも、各家庭で家事・育児を担う中心が女性という状況を打開しないと、社会全体で子ども・子育てを支えるという考え方を広げるのは困難。特に「母親になったことを後悔させない」(山本かなえ参議院議員・公明党)社会をめざすという視点が重要。各家庭で、男性が家事・育児を「手伝う」のではなく、主体者として行動すること。そして、多くの家庭が変わっていけば、自ずと会社など組織の運営も変わっていき、女性の働きやすさと生きやすさにつながるはず。

財源を確保するうえでのポイント。現在進行形のテーマなので、与野党の政策責任者の方々からはストレートな発言は出にくい状況でしたが、橋本岳衆議院議員(自民党)や岡本あき子衆議院議員(立憲民主党)の提起から、経済界や労働界の理解と協力を得る重要性が共有されました。また、この20年で共働きが広がったにもかかわらず家庭の可処分所得は変わっておらず、これを増やす必要性も提起されました。家計が厳しい状況での現役世代の負担増に理解を得るのは容易でなく、やはり先行世代も含めて全世代型で政治が覚悟を持って決断し、理解を得ていくことが重要です。

そして、財源の議論に加えて、今回のテーマに位置付けたのが「真に必要なサポート」を考えること。金銭給付などの経済的支援だけでなく、子育て家庭の日々の営みに寄り添うサービスを提供していきたい。「安心を届ける」というキーワードも出ました。先行世代の人生の先輩方が、子育て家庭の家事・育児やちょっとした相談など丸ごとサポートする「東京かあさん」の取り組み(株式会社ぴんぴんころり)▽横浜市など行政と連携しての子育て支援拠点の運営、中高生・若者の乳幼児ふれあい体験や保育・子育て支援インターンをはじめ地域のつながりによる「みんなで子育て」の実現(NPO法人子育てひろば全国連絡協議会、認定NPO法人びーのびーの)▽子育て休業応援手当の創設や育休に関するeラーニング研修など企業における育休促進策(株式会社コスモスモア)▽健康・福祉・教育を連携させて相乗効果を生む子どもにやさしく、子育ての喜びを実感できるまちづくり(臼杵市)――から学ばせていただきました。

シンポジウム


また、子ども・子育て支援を加速化させるための政府のたたき台は既に公表されているところですが、その内容に具体的に盛り込まれていない18歳までの子ども医療費の無償化、給食費の無償化に取り組むべきとの意見も出されました。これらは地域によってバラツキがあってはならず、無用の過当競争を生まないよう、ナショナルミニマムとして国家が保障すべきです。

今回のシンポジウムもとても有意義な時間でした。社会の持続可能性を高めるための子ども・子育て支援の強化に向けて、これまで以上に政府・国会で有意で実効性ある政策形成に向けた議論が為されていくことを期待し、私たち国民も当事者意識を持って政治の決断を後押しできるよう、引き続き頑張っていきたい。その思いを確認し、共有できたと思います。ご協力いただいた皆さん、ご参加いただいた皆さんに感謝申し上げます!

なお、子ども・子育て市民委員会は昨年8月、弁護士の堀田力さん、医師で作家の鎌田實さん、元消費者庁長官の板東久美子さんと共に立ち上げた団体。堀田さんが顧問、鎌田さん、板東さん、私が共同代表を務めています。

委員


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