○第5次古賀市基本構想
【令和4(2022)年度~令和13(2031)年度】
令和3年11月30日
議決
第1章 将来像
―都市イメージ―
ひと育つ こが育つ |
人がまちを支え まちが産業を支え 産業が人を支え
みんなが育つ
未来に向かって育ち続けるまち
―基本目標―
すべての人が尊重し合い 未来を拓く子どもたちが輝くまち |
一人ひとりが個性を認め合い
子どもたちの育ちと学びをまちぐるみで支え
誰もが心豊かに 自分らしく生きられるまちをめざします
すべての人が地域で支え合い 健やかに暮らせるまち |
子どもも高齢者も障がいのある人もない人も
誰もが生きがいを持ち 住み慣れた地域で 支え 支えられ
健康で安心して暮らせるまちをめざします
産業が暮らしを支え 地域をつなぎ すべての人が豊かさとにぎわいを感じられるまち |
豊かな自然や優れた交通利便性を活かし 産業が地域経済を支え
まちに活力を生み出すとともに 人々の交流が新たな魅力を創り出し
活気とにぎわいにあふれるまちをめざします
都市基盤と環境が調和し すべての人が快適で安心して暮らせるまち |
都市と自然が調和した土地利用のもと
居心地がよく利便性の高い暮らしを実現し 安全な都市基盤に支えられ
将来にわたり 誰もが安心して暮らせるまちをめざします
―基本構想の推進のための指針―
すべての人が つながり 考え 創る みんなが主役のまち |
「自分たちのまちは自分たちでつくる」という意識のもと
多様な主体が 互いを信頼し 協力し合い まちづくりを進める
みんなが主役のまちをめざします
第2章 まちづくりの方向性
1 基本指標
まちづくり指標(主観指標) |
令和元(2019)年度に実施した「まちづくりに関する市民アンケート調査」の結果をもとに、「住みよさ指標」「定住指標」の二つの指標を設定します。
住みよさ指標
古賀市は住みやすいと感じる人の割合 74.2%(令和元(2019)年度) → 上昇(令和13(2031)年度) |
定住指標
今後も古賀市に住み続けたいと考える人の割合 59.7%(令和元(2019)年度) → 上昇(令和13(2031)年度) |
想定人口(客観指標) |
本市の人口は、近年緩やかな増加傾向が続いており、令和2(2020)年9月末現在の人口は59,694人とほぼ6万人規模に達していますが、第2期古賀市人口ビジョンでは、令和7(2025)年をピークに減少に転じ、その後は緩やかに減少していくと予測しています。
国全体において人口減少・高齢化が進展するなか、本市が、将来的な人口減少社会における課題に立ち向かい、将来にわたって持続可能なまちづくりを進めていくためには、子育て世代にとって魅力的なまちづくりや、企業立地による税収の確保と雇用の創出、既存ストックを有効活用した計画的・効率的な人口集積などの施策を推進し、現在の人口規模を可能な限り維持することが望ましいことから、想定する人口規模を6万人とします。
想定する人口規模 60,000人 |
2 土地利用構想
都市イメージの実現や基本目標の達成に向け、土地利用構想を以下のとおり定めます。
■ 市の玄関口に相応しい魅力ある空間の整備
JR古賀駅周辺地区では、住宅・商業・医療・教育・文化などにぎわいを創出する多様な機能を集積しながら、歩いて回遊できる居心地の良い空間や特徴的な街並みの形成をめざすとともに、市の玄関口に相応しい魅力を高め、その効果が市全体に波及するよう取り組みます。
■ 都市の活力の基礎となる産業用地の確保
広域的交通の利便性を活かして産業を集積し、都市の活力やにぎわいをより高めていくため、おおむね主要地方道筑紫野・古賀線沿線から国道3号の間と九州自動車道古賀インターチェンジ周辺の適地において、産業用地への土地利用転換を計画的に進め、企業立地を促進します。
■ 安全・安心で活力ある生活を支える居住地域の形成
効率的・効果的な都市機能や居住機能の立地の適正化を推進し、すべての市民が安全・安心な生活を送ることができるコンパクトで利便性の高い市街地の形成を推進します。
少子化や人口流出などにより活力が低下している市街化調整区域では、既存集落において適度な人口を受け入れるための建築規制の緩和を図る一方、市街化区域外における大規模な住宅開発は見合わせることで、人口減少や少子高齢化社会に対応した持続可能なまちの形成を推進します。
■ 海と山の豊かな自然や良好な農林業環境の保全
市民共有の財産である白砂青松の海岸線や犬鳴山系の山並みなど豊かな自然環境を保全し、次世代へ継承していきます。
効率的で高収益な営農環境の維持形成を図るため、生産性の高い農地を保全するとともに、まとまりのある優良な農地を確保します。
森林を健全に整備し、将来的な林業利用を図るとともに、林業経営に適さない森林は自然に近い森林に誘導し、水源涵養や防災など多面的機能を維持していきます。
第3章 施策の大綱
1 政策体系
ひと育つ こが育つ
人がまちを支え まちが産業を支え 産業が人を支え みんなが育つ 未来に向かって育ち続けるまち
すべての人が尊重し合い 未来を拓く子どもたちが輝くまち
子育て支援の充実
みんなで見守る子育て支援の推進
子育ての経済的負担の軽減
幼児教育・保育サービスの充実
学校教育の充実
未来を切り拓く教育の充実
学校教育施設の充実
つながりを深める学ぶ機会の充実
青少年が健やかに育つ環境の充実
明るく元気に交流し合うスポーツ活動の促進
豊かな心を育む文化芸術活動の促進
郷土愛を育む文化財の保存・活用
読む・学ぶ・調べる図書館活動の推進
学び合いを支える社会教育活動の活性化
人権と多様性の尊重
すべての人権の尊重
性別にとらわれない多様な生き方の尊重
ジェンダー平等の実現と男女共同参画の推進
自分らしく暮らせる多文化共生の推進
すべての人が地域で支え合い 健やかに暮らせるまち
地域保健の推進と医療との連携促進
人とまちの健康づくりの推進
保健の充実と医療連携
介護予防と高齢者福祉の推進
みんなで支え合う介護予防の推進
最期まで尊厳のある暮らしを続けるための支援の充実
障がい者福祉の推進
地域で安心して生活するための支援の充実
自分らしさを発揮できる社会参加の促進
地域福祉の推進と包括的支援の充実
困ったときに頼り合える地域福祉の推進
自立支援の推進と包括的支援の充実
産業が暮らしを支え 地域をつなぎ すべての人が豊かさとにぎわいを感じられるまち
商工業・観光の活性化
活気とにぎわいを創り出す商工業の活性化
企業立地の促進と新たな雇用の創出
魅力あふれる観光の活性化
農林業の振興
農地の保全と有効活用
持続可能な農業経営の推進
森林を守る林業の振興
都市基盤と環境が調和し すべての人が快適で安心して暮らせるまち
良好な都市環境の形成
地域特性に応じた土地利用の推進
地域ニーズを踏まえた公園の整備・維持管理
快適な道路網の整備
安全・安心な水道サービスの持続
下水道の整備と経営基盤の強化
持続可能な公共交通の実現
持続可能な公共交通ネットワークの確立
公共交通の利用促進
命と暮らしを守る対策の推進
暮らしの安全の確保
命を守る防災・危機管理の推進
環境の保全と継承
快適な生活環境の保全
資源を有効に活用する循環型社会の形成
環境と人と動物のよりよい関係を築く動物愛護の推進
豊かな恵みを次世代へ引き継ぐ自然環境と生物多様性の保全
私たちにできる地球温暖化の防止
「環」をつなぐ環境教育の推進
すべての人が つながり 考え 創る みんなが主役のまち
基本構想の推進
みんなでつながる地域づくりの推進
積極的な情報発信・情報共有とシティプロモーションの推進
市民から信頼される持続可能な行財政運営
2 基本目標ごとの政策・施策
すべての人が尊重し合い 未来を拓く子どもたちが輝くまち
政策1―1 子育て支援の充実
■ 政策の目的(政策によってめざすまちの姿)
○みんなで見守る安全・安心な環境のなかで誰もが子育てを楽しみ、すべての子どもがいきいき育つまち
■ 施策とその方向性
1 みんなで見守る子育て支援の推進
子育てに関する不安や悩みの増加、多様化に対応し、妊婦や子育て家庭が孤立することなく、子どもたちが地域のなかで健全に育っていけるよう、妊娠・出産・育児に関する健診・訪問、子育てに関する相談対応、保護者同士の交流の促進、子育てを支援する市民や団体の活動の促進、地域ぐるみの体験活動の充実などにより、出産前から子どもの自立まで切れ目のない支援を推進します。
家族の介護や世話などにより自らの育ちや学びに影響を受ける子どもの支援や虐待の未然防止、早期発見・早期対応を図るため、福祉、教育、警察、救急、人権擁護、地域等の各関係機関との連携体制を強化します。
2 子育ての経済的負担の軽減
ひとり親家庭や低所得世帯への支援、不妊治療の費用や子ども医療費の助成、教育にかかる保護者負担の軽減など、子育てにかかる経済的負担の軽減を図り、子育て家庭の生活基盤を整えることにより、子どもの健やかで豊かな育ちを支えます。
3 幼児教育・保育サービスの充実
保育を必要とする子育て家庭が安心して保育サービスを利用できるよう、保育施設の定員数の確保や保育士不足の解消に取り組み、「待機児童ゼロ」を堅持するとともに、子どもや子育て家庭を取り巻く環境の変化や就園ニーズに対応した多様な保育サービスの提供など保育環境を充実させます。
幼稚園と保育所の機能や特徴をあわせ持った認定こども園への移行等を支援することにより、子どもの五感を使った体験の推進など豊かな遊びを通じた質の高い教育・保育の提供を促進します。
政策1―2 学校教育の充実
■ 政策の目的(政策によってめざすまちの姿)
○すべての子どもが自分の未来について具体的な将来像を描き、主体的な学びによって、自らの可能性を最大限に高め、人生を切り拓いていける「生き抜く力」を育めるまち
■ 施策とその方向性
1 未来を切り拓く教育の充実
未来を切り拓き、社会を生き抜く力や主権者として地域の課題解決を主体的に担う力を育むため、他者を思いやり、多様性を尊重した対話を通じて課題を見出し、解決するために行動できる人材を育成します。
ふるさと古賀への愛着や誇り、勤労観・職業観を醸成するとともに、AIやIoT等の先端技術が高度化してあらゆる産業や社会生活に取り入れられたSociety5.0にも対応できるICT活用能力の向上を図るため、子ども同士や地域住民など多様な他者との関わり合いと個別最適な学びを充実させた学習指導を推進します。
子どもたちの学びと育ちをきめ細かく支え、豊かな心と健やかな体、確かな学力を育むため、全小・中学校・全学年における35人以下学級を実現するとともに、多様な人的配置を行い、一人ひとりが安心して学ぶことができる体制を確保します。また、特別な教育的支援を必要とする子どもたち一人ひとりのニーズに応じた教育の機会を提供します。
学校と地域が主体的に連携し、お互いの役割を果たすことにより、子どもたちが地域とのつながりや信頼できる大人との関わりを通して、たくましく成長し、地域社会のなかで学び、活躍していくことができるよう、また、家庭環境や生活習慣などに起因する多様な課題の解決につなげられるよう、地域とともにある学校づくり、学校を核とした地域づくりを推進します。
2 学校教育施設の充実
将来の児童・生徒数の変動を踏まえながら、老朽化した施設の整備・改修、バリアフリー化、学校生活環境の向上のための改修など、長期的な視点で計画的に安心・快適な学校施設を整備します。
Society5.0における教育を見据え、先端技術の活用による教育の質の向上に資するため、ICT利活用のための基盤の整備に取り組みます。
食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけること、地産地消など食を通じて地域を理解すること、郷土料理など食文化の継承を図ること、自然の恵みや勤労の大切さを理解することなど、子どもたちが学校生活を楽しみながら、学校給食の多様な効用を享受することができるよう、学校給食センターの効率的な運営と必要な施設・設備の整備を行います。
政策1―3 つながりを深める学ぶ機会の充実
■ 政策の目的(政策によってめざすまちの姿)
○青少年一人ひとりが「生き抜く力」を身につけ、自主性と協調性を持って心と体が健全に成長しているまち
○子どもから高齢者まであらゆる世代の市民が、社会教育、スポーツ活動や文化活動などを通じて、地域を中心に相互に学び合い、新たな社会課題に自ら進んで対応し、豊かに暮らせるまち
■ 施策とその方向性
1 青少年が健やかに育つ環境の充実
子どもや保護者への相談事業、子育てを支援する団体や関係機関との連携など、青少年をとりまく問題に切れ目なく対応する環境づくりを推進します。
児童館・児童センターや学童保育所等の子どもたちの居場所の確保、放課後子ども教室や通学合宿など「生き抜く力」を育むための多様な体験活動や学習活動の推進、子どもたちが主体性を持って地域活動に参加し、次世代の担い手として活躍できる体制づくりなどに地域ぐるみで取り組みます。
2 明るく元気に交流し合うスポーツ活動の促進
子どもから高齢者まであらゆる世代の市民がスポーツに親しみ、健康づくりや体力づくり、仲間づくりやいきがいづくりができるよう、気軽に運動やスポーツに取り組める環境づくりと参加機会の拡充を図り、スポーツ活動を通じた地域での活発な交流を推進します。
3 豊かな心を育む文化芸術活動の促進
市民が文化芸術に関心を持ち、心豊かに学び続け、将来文化芸術活動を担う人材となるよう、子どもの頃から文化芸術に触れることができる機会を充実させます。
文化団体と連携した取組や文化芸術活動の支援を通じ、市全体の文化力の向上を図り、担い手の育成を促進します。
4 郷土愛を育む文化財の保存・活用
国史跡船原古墳をはじめとする文化財や地域固有の歴史・伝統を継承するため、調査・研究や適切な保存を推進します。
文化財への市民の理解を深めることにより、ふるさとへの愛着や誇りを醸成するとともに、観光などさまざまな分野での文化財の活用を推進します。
5 読む・学ぶ・調べる図書館活動の推進
多様化する市民ニーズに対応し、年齢を問わず、幅広い世代の市民が図書館を利用し、その効用が得られるよう、読書、学習、情報入手などの機能向上や電子図書の充実等により、市民の暮らしに役立つ図書館サービスを提供します。
6 学び合いを支える社会教育活動の活性化
一人ひとりの人生を豊かにするため、ライフステージでの課題に応じて、自発的な学びを深め、広げる生涯学習を推進します。
生涯学習の中核的な施設であるリーパスプラザこががより良質な文化芸術の発信拠点となるよう、施設面の改良や運用面の改善を図り、市民生活のすぐそばに文化芸術が息づく環境づくりに取り組みます。
市民が相互に学び合うことにより、孤立を防ぎ、お互いに支え合う自立した地域への成長を促すため、地域公民館活動を支援するとともに、家庭課題の解決や仲間づくりに関する学びの機会を提供し、学びの成果を地域課題の解決につなげる社会教育活動を活発化させます。
政策1―4 人権と多様性の尊重
■ 政策の目的(政策によってめざすまちの姿)
○すべての市民が個性を認め合い、尊重し合いながら、誰もが社会の構成員として主体性を持って活躍するまち
■ 施策とその方向性
1 すべての人権の尊重
年齢やジェンダー、障がいのあるなし、国籍などに関わらず、幅広く多様な人々を包摂するインクルーシブ社会の実現に寄与するため、部落差別をはじめとするさまざまな人権問題について、すべての市民に関心を持ってもらえるよう、記憶や印象に残る人権意識の向上のための教育・啓発を推進するとともに、個別の人権侵害に適切に対応するため、関係機関と連携を強化し、相談・支援を充実させます。
2 性別にとらわれない多様な生き方の尊重
男女の性差、性的指向や性自認に対する偏見や無理解により生じる生活上の不利益を解消し、誰もが自認する性を尊重され、自分らしく生きられるよう、性の多様性への理解を広めるとともに、多様な生き方を尊重する制度による支援を充実させます。
3 ジェンダー平等の実現と男女共同参画の推進
家庭や社会における固定的性別役割分担の意識の解消や実態の改善に向けた教育・啓発、テレワークなど在宅での働き方の普及や新たなデジタル技術の活用による家事・育児への参画促進、政策・方針決定過程への女性の参画拡大、不安定な立場に置かれやすい女性の貧困・窮乏等への対応など、家庭、学校、職場、地域社会等、あらゆる分野での女性の社会参画と男女が対等な立場で暮らしやすく、働きやすい環境づくりを推進します。
性別に関連する社会通念や慣習、経済的格差を背景とするドメスティック・バイオレンスを根絶し、誰もが社会の対等なパートナーとしてさまざまな分野で活躍できるよう、啓発を推進するとともに、関係機関との連携強化による未然防止、被害者の保護・支援に取り組みます。
4 自分らしく暮らせる多文化共生の推進
出身地やルーツがどこにあっても、言葉や文化の違いによって悩むことなく安心して暮らしていけるよう、さまざまな関係機関や関係団体との連携を強化するとともに、誰とでもコミュニケーションが円滑にとれるような支援や多文化共生に関する啓発を推進します。また、生活に必要な情報を分かりやすく発信し、適切な情報とサポートを受けることができるよう支援します。
多くの世代が多様な文化や外国語に触れる機会の提供や多文化交流を促進し、国や地域を超えて協力できる国際感覚を醸成するとともに、文化の多様性を理解、尊重し合いながら、自分の住んでいる国や地域の魅力を深く知り、自分らしさを発揮してともに生きていけるような取組を推進します。
すべての人が地域で支え合い 健やかに暮らせるまち
政策2―1 地域保健の推進と医療との連携促進
■ 政策の目的(政策によってめざすまちの姿)
○すべての世代の市民が自分の健康に関心を持ち、ライフステージに応じた健康づくりに主体的に取り組むことで、生涯にわたって健康な生活を続けているまち
■ 施策とその方向性
1 人とまちの健康づくりの推進
「自分たちの健康は自分たちでつくり・守る」という考えのもと、自分の健康に関心を持ち、健康的な生活習慣を身につけ、主体的に健康づくりに取り組むとともに、個人や家族だけでなく、地域や職場等にも健康づくりの輪を広げ、市全体の健康水準の向上に寄与することができるよう、情報発信や普及啓発の強化、健康について自ら学び実践する人材の育成などを通じ、市民一人ひとりにあった健康づくりを促進します。
市民が、学童期、青年期、壮年期、老年期など各ライフステージに応じた身体活動や運動、食育などを通じて健康づくりに取り組むことができるよう、地域や学校、企業、市民活動団体などと連携し、主体的な取組を活発化させ、健康を支える環境づくりを推進します。
2 保健の充実と医療連携
市民が健康的に暮らし続けられるよう、特定健診やがん検診の受診、かかりつけ医受診などの促進や保健指導の強化により、生活習慣病やがんなどの発症予防や早期発見・早期治療、重症化予防につなげます。
市民が必要なときに適切な医療を受けられるよう、かかりつけ医と地域の中核的な医療機関との連携の促進や、在宅医療や在宅介護の推進のためのネットワークづくり、休日診療体制の確保など、地域医療体制を充実させます。
市民生活に重大な影響を及ぼす感染症の発症予防とまん延防止を図るため、感染症に関する知識や情報等の周知啓発と迅速かつ適切な対応ができる体制を確保します。
政策2―2 介護予防と高齢者福祉の推進
■ 政策の目的(政策によってめざすまちの姿)
○心のふれあいや地域の支え合いにより、高齢者が住み慣れた地域で人生の最期まで自分らしい生活を送ることができるまち
■ 施策とその方向性
1 みんなで支え合う介護予防の推進
高齢者が健康に生きがいを持って暮らしていけるよう、地域での介護予防の担い手を育成し、身近な地域のつどいの場における運動や音楽等を通じた住民の交流や自主的な介護予防活動を推進します。
また、生活習慣病をはじめとする疾病の発症や重症化の予防及び心身機能の低下を防止するための支援を一体的に推進します。
2 最期まで尊厳のある暮らしを続けるための支援の充実
高齢者やその家族が抱える複雑化・多様化した問題の解決に向け、包括的な相談体制を充実します。また、高齢者の権利を擁護するため、成年後見制度の普及、虐待防止に取り組みます。
認知症高齢者やその家族が地域で安心して生活することができるよう、認知症に関する理解を促進するための啓発や人材育成、早期発見・早期対応のための体制強化などに取り組みます。
高齢者の困りごとの解消につながるよう、地域、ボランティア、企業、団体等のさまざまな主体が連携した支え合いによる地域生活の支援を促進します。
介護人材の育成やICTの活用、医療・介護・福祉の関係機関との連携強化などにより安定的に在宅医療・介護サービスを提供するための体制を確保し、医療や介護が必要となっても、住み慣れた地域で本人が望む自分らしい暮らしを最期まで続けることができるよう支援します。
政策2―3 障がい者福祉の推進
■ 政策の目的(政策によってめざすまちの姿)
○障がいのある人やその家族が住み慣れた地域で安心して生きがいを持って暮らし、地域の一員として自分らしい生き方を選択できるまち
■ 施策とその方向性
1 地域で安心して生活するための支援の充実
障がいのある人もない人も地域社会の一員としてともに暮らし、支え合うことができるよう、障がいや障がいの特性に応じた配慮についての理解を促進するとともに、差別の解消や虐待の防止に取り組みます。
障がいのある人とその家族が住み慣れた地域で自分らしく生活していけるよう、相談支援の充実、ライフステージやニーズに応じた適切な障がい福祉サービスの提供、福祉・介護・医療などの関係機関や地域等との連携などにより、複雑化・多様化する課題に包括的に対応します。
障がいのある子どもが、その能力と可能性を最大限に伸ばし、地域の同世代の子どもや人々との交流等を通して、地域社会の一員として豊かに生きることができる生活基盤の形成を図るとともに、障がいのあるなしに関わらず、子どもたちが障がいへの理解を深めることができるよう、可能な限りすべての子どもがともに教育を受けるインクルーシブ教育を推進します。また、医療的ケアが必要な子どもやその家族のニーズに応じた支援を行います。
2 自分らしさを発揮できる社会参加の促進
障がいのある人の社会参加の機会の拡充と自立や生活の安定を図り、さまざまな可能性のなかから自分らしい生き方を選択できるよう、文化芸術活動やスポーツ活動に対する支援や出会いと交流の場づくりを推進するとともに、就労への意欲の向上、障がい者雇用に対する理解の促進など、障がいのある人の就労を障がい福祉サービス事業所や企業、関係機関等と連携して支援します。
政策2―4 地域福祉の推進と包括的支援の充実
■ 政策の目的(政策によってめざすまちの姿)
○地域住民が支え手・受け手という関係を超えて支え合い、困りごとを抱え込まずに支援を受けることで、誰もが住み慣れた地域で安心して心豊かに暮らし続けることができるまち
■ 施策とその方向性
1 困ったときに頼り合える地域福祉の推進
身近な地域のなかで、誰もが気軽に集い交流することができる場づくりをはじめ、孤立せず社会とつながるための地域活動への参加支援や見守り活動を促進します。
また、市民が主体的に地域にある身近な生活課題を把握し、地域の支え合いで解決できるよう、近隣住民、民生委員・児童委員、社会福祉協議会、ボランティア、NPO、企業、自治会などの関係者が連携・協力できる互助・共助の体制づくりを推進します。
2 自立支援の推進と包括的支援の充実
生活に困窮する人に、個々の状況に応じた相談対応や住まいの確保、就労支援、家計への助言など自立に向けたきめ細かな支援を推進します。
また、課題が深刻化しないよう、困りごとを抱えている人が早期に適切な支援につながる仕組みを整備するとともに、複雑化・多様化した課題、制度の狭間にある課題について総合的に相談を受け止め、関係機関と連携しながら解決を図ることができるよう、包括的支援を充実します。特に子どものいる家庭については、貧困の連鎖を断ち、すべての子どもが夢と希望を持って成長していくことができるよう支援します。
産業が暮らしを支え 地域をつなぎ すべての人が豊かさとにぎわいを感じられるまち
政策3―1 商工業・観光の活性化
■ 政策の目的(政策によってめざすまちの姿)
○商工業が活性化し、交流とにぎわいによる地域経済の持続的な発展と地域の活力向上をもたらし、市民のより良い暮らしを支えているまち
■ 施策とその方向性
1 活気とにぎわいを創り出す商工業の活性化
JR古賀駅周辺の中心市街地における商機能やコミュニティ機能の維持・強化を図るため、空き店舗の解消などにより商業やサービス業の集積を促進し、事業者はもちろん市民や民間団体が参画したエリア全体の本質的な活性化に取り組みます。
事業者が経営を継続し、必要に応じて事業規模を拡大することができるよう、新分野への進出、先端技術や先端設備を導入し、生産性の向上に取り組む事業者を支援します。また、地域を支える人材や将来を担う若者を呼び込み、生涯を通じて安心して働き続けることができ、地域経済が持続可能なものとなるよう、未来の地域経済を支える起業・創業へのチャレンジを支援します。
2 企業立地の促進と新たな雇用の創出
雇用の創出と税収の確保を図るため、優れた交通利便性を活かした土地利用転換により、事業用地を確保しながら企業立地を促進するとともに、投資を拡大する企業を支援するなど産業集積を進め、本市の強みである「モノづくり力」を強化します。
IT関連事業者の立地促進などによりサテライトオフィス等での働き方、場所や時間を有効に活用するテレワークなど多様な働き方を支援するとともに、性別や年齢、障がいのあるなしに関わらず、すべての人が働きやすく、働き続けることができる環境の整備を推進することにより、働く人にとって魅力的な環境づくりに取り組みます。
3 魅力あふれる観光の活性化
市内外から多くの観光客が訪れ、地域の人々が自らの地域の魅力を感じ、その地に住むことに誇りと愛着を持ち、にぎわいと活気、地域の稼ぐ力が生み出されるよう、観光・物産・情報発信の機能を強化します。
国史跡船原古墳や唐津街道青柳宿、まつり古賀、食の祭典、福岡食品加工団地、古賀グリーンパーク、薬王寺温泉、白砂青松の海岸松林や清流を飛び交うホタルなどの地域資源の魅力と認知度の向上に取り組みます。
観光客の回遊性向上を図り、海外からの観光客の増加にも対応できるよう、文化的資源や産業力、歴史的景観や自然景観など地域に潜在する資源を掘り起こし、磨き上げ、さらにそれらを体験することにより得られる価値を観光資源として活用します。
政策3―2 農林業の振興
■ 政策の目的(政策によってめざすまちの姿)
○安定的・持続的に農業が経営されるとともに、農業生産基盤や水源涵養、防災など多面的機能が維持された優良な農地や森林が保全されているまち
■ 施策とその方向性
1 農地の保全と有効活用
農業の生産性向上を図り、本市の農業をよりよいものにしていくため、基盤整備事業によりまとまりのある優良な農地を確保し、担い手への集積を促進します。
農業生産の場に加えて、豊かな農村景観の形成や生物多様性の保全、環境教育・学習の場、水源涵養、防災・減災等、多面的な機能を有する農地を貴重な財産として保全するため、農業集落による農地を保全する活動への支援、適正な担い手とのマッチングのための農地の貸し借りの促進、耕作放棄地の解消、水路・ため池などの農業用施設の計画的な整備・維持管理を推進します。
2 持続可能な農業経営の推進
新規就農者や女性農業者、集落営農組織など多様な担い手が意欲的に農業に従事することができるよう、ニーズに応じた育成や定着に向けた支援に取り組むとともに、将来にわたり持続可能な農業を営むことができるよう、米、麦のほか付加価値の高い園芸作物の生産、ロボット技術やICTなどを活用したスマート農業の促進、有害鳥獣による被害防止など農業経営の安定化に向けた取組を支援します。
市民や事業者が地元の農産物を食材や原材料として安心して利用できるよう、コスモス館の機能強化や農産物の魅力の情報発信に取り組み、地産地消を推進します。また、大消費地に近接し、優れた交通利便性を活かした国内外への販路拡大を支援します。
生産者とともに消費者が農業の多様な機能や役割に着目し、農と食、環境などへの関心を持ち、自らの生活に健康づくりや環境に配慮した行動を取り入れることができるよう、身近に農を感じる場や機会を提供します。
3 森林を守る林業の振興
森林経営管理制度に基づき、ICTの活用、所有者や境界の明確化に向けた取組、下刈りや間伐等による健全な森林の整備、意欲と能力のある林業経営者への施業集約化等を推進し、将来的な林業的利用を図るとともに、林業経営に適さない森林は、自然に近い森林に誘導し、多面的機能を維持します。
都市基盤と環境が調和し すべての人が快適で安心して暮らせるまち
政策4―1 良好な都市環境の形成
■ 政策の目的(政策によってめざすまちの姿)
○調和した土地利用のもと、市民が利便性の高い生活環境のなかで快適に暮らしているまち
○新たな玄関口となるJR古賀駅周辺がにぎわいに満ちた居心地が良く歩きたくなるまち
■ 施策とその方向性
1 地域特性に応じた土地利用の推進
市民が住み続けたいと思えるよう、利便性が高く、快適な住環境をつくります。都市環境と自然環境が調和した土地利用、適切な規制・誘導や計画的な事業の実施、人口動態を踏まえた効率的・効果的な都市機能や居住機能の立地の適正化を推進し、都市の持続性を高めます。
広域的交通の利便性を活かして産業を集積し、活力やにぎわいを創出するため、おおむね主要地方道筑紫野・古賀線沿線から国道3号の間と九州自動車道古賀インターチェンジ周辺の土地利用転換や、JR古賀駅周辺の土地利用の高度化など、地域特性に応じた土地利用を推進します。
JR古賀駅周辺地区については、住宅・商業・医療・教育・文化などにぎわいを創出する多様な機能を集積しながら、歩いて回遊できる居心地の良い空間形成を図り、特徴的な街並みの形成をめざすとともに、古賀市の玄関口に相応しい魅力向上に取り組みます。
2 地域ニーズを踏まえた公園の整備・維持管理
都市空間にゆとりと付加価値をもたらす公園・緑地については、地域ニーズや配置状況を踏まえた整備・集約・再編を進めます。公園における休養や遊び、コミュニティ活動など市民のさまざまな活動の場として利用できるよう、地域住民とともに適切な維持管理を行います。
3 快適な道路網の整備
市域の一体的な都市づくりを進め、誰もが快適に移動できるよう、幹線道路の整備を促進し、円滑な道路交通を実現します。
すべての人が安全で快適に暮らしていけるよう、ユニバーサルデザインに配慮した道路整備を推進します。
4 安全・安心な水道サービスの持続
上水道の安定的な供給を図り、市民が安心して上水道を利用できるよう、計画的な水道施設の更新を行います。また、安定的な財政基盤の構築を図るため近隣自治体との広域連携や業務の共同化を推進します。
5 下水道の整備と経営基盤の強化
市民の快適な生活環境の確保と、公共用水域の水質を保全するとともに、集中豪雨等による浸水被害を防止するため、下水道事業による計画的な整備や施設の更新、最適化を推進します。また、経営戦略の改定や事業の見直し、使用料の適正化等を図り、さらなる経営改善を推進します。
政策4―2 持続可能な公共交通の実現
■ 政策の目的(政策によってめざすまちの姿)
○自らの運転に頼らなくても、市民が公共交通を利用することにより市内各所から市内外に円滑に移動できるまち
■ 施策とその方向性
1 持続可能な公共交通ネットワークの確立
通勤や通学、買い物、通院など市民の多様な移動ニーズに適切に対応し、自らの運転に頼らずとも円滑な移動ができるよう、AIやICTを活用した公共交通サービス、キャッシュレス決済の導入など、自家用車以外の複数の移動手段を組み合わせて一括で利用できるサービスの普及に向けた基盤づくりにより利便性を向上させ、持続可能な公共交通を実現します。
人々が市内を活発に行き来することによりさまざまな活動を加速化させ、公共交通を起点に活気とにぎわいを生み出し、移動手段の確保だけでなく、地域経済の活性化や環境負荷の低減、市民の健康増進などにつながっていくよう、道路網の整備と連動しながら公共交通ネットワークの維持・確保に取り組みます。
2 公共交通の利用促進
公共交通について話し合う地域の場づくりを推進するとともに、「地域の公共交通は、地域が自らつくる」という当事者意識を利用者自身が持ち、積極的に公共交通を利用しながら、利用促進にも貢献できるよう、公共交通を利用する習慣の定着化に向けた啓発を強化します。
政策4―3 命と暮らしを守る対策の推進
■ 政策の目的(政策によってめざすまちの姿)
○市民が家族や地域住民と連携しながら、犯罪や交通事故の予防に取り組み、被害者が減少しているまち
○市民一人ひとりが自らの命は自らが守るという意識を持ち、地域住民と助け合いながら主体的に災害に備えた防災・減災のための対策に取り組み、災害被害を軽減できる防災力の高いまち
■ 施策とその方向性
1 暮らしの安全の確保
市民が犯罪に巻き込まれることなく、安全で安心して暮らすことができるよう、犯罪に関する情報発信や街頭啓発による市民の防犯意識の向上、自主防犯団体など地域が主体となった防犯対策活動の促進、防犯カメラの設置周知等の警察と連携した取組、地域活動への参加支援や見守り活動の促進による高齢者の孤立防止など犯罪が起こりにくい地域環境を形成します。
市民が消費生活トラブルに巻き込まれないよう、自ら的確な判断と行動をするために必要な知識や情報等の周知啓発を行うとともに、多様化する相談案件に対応するため、消費生活センターの相談体制を強化します。
交通事故による被害を最小化するため、警察や関係機関と連携し、安全指導や交通安全教室等の啓発の推進による市民や運転免許保有者の交通安全意識の向上、交通事故や飲酒運転の未然防止、交通安全上の危険性や過去の事故発生状況等を踏まえた交通安全施設の整備・維持管理に取り組みます。
2 命を守る防災・危機管理の推進
地域防災力の強化のため市民の防災・減災意識の向上を図り、市民や事業者、地域、ボランティア等が自助、共助の役割を主体的に果たせるよう、防災知識の普及啓発や居住空間の安全対策の推進、消防団や自主防災組織の体制強化、防災訓練等予防活動の支援、非常用持出袋等の備蓄を促進するための啓発などに取り組みます。
災害発生時に家族等の支援が受けられず、自力で避難することが困難な避難行動要支援者が、安全かつ確実に避難できるよう、地域において情報伝達、避難誘導等の避難支援が受けられる体制を確保します。
災害発生時に迅速かつ的確な応急対策を実施するため、情報を収集する手段と市民に伝達する手段の多様化の推進、関係機関との連携・協力体制や避難誘導体制、食料や生活必需品等の備蓄・供給体制などの整備を進めます。
災害リスクや地域の状況等に応じて、防災施設の整備、施設の耐震化、代替施設の確保、訓練・防災教育などの対策を適切に組み合わせて効果的に推進します。
武力攻撃やテロ、新たな感染症のまん延などの緊急事態に迅速かつ的確に対応するため、関係機関との連携による危機管理体制を強化します。
政策4―4 環境の保全と継承
■ 政策の目的(政策によってめざすまちの姿)
○未来の地球のために、日々の暮らしのなかでできることを考え、行動し、持続可能で豊かな環境を次の世代に引き継ぐまち
■ 施策とその方向性
1 快適な生活環境の保全
野外焼却や騒音、管理不良の土地や空き家に起因する雑草・樹木の境界越境など、身近な地域で生じる生活環境問題の多様化への対応や不法投棄の未然防止を図り、快適な市民生活や活発な経済活動を支えるため、地域、市民団体、関係機関等と連携した啓発に取り組み、モラルやマナーを向上させるとともに、地域や海岸、河川の清掃など自発的な美化活動を支援します。
2 資源を有効に活用する循環型社会の形成
限りある資源を将来へ引き継ぐとともに、廃棄物処理に伴う環境負荷を低減することができるよう、市民・事業者とともに、リフューズ(Refuse)・リデュース(Reduce)・リユース(Reuse)・リサイクル(Recycle)の4Rが浸透したライフスタイルやビジネススタイルの定着を推進し、なお残るごみについては適正に処理するとともに、市民や事業者に対し適正な排出に向けた啓発を行います。
3 環境と人と動物のよりよい関係を築く動物愛護の推進
人の健康と動物の健康、そして環境の健全性は、生態系のなかで相互に密接につながり、強く影響し合う一つのもの「ワンヘルス(One Health)」であるという考えのもと、環境と人と動物のよりよい関係を築くため、狂犬病などの人と動物の共通感染症を予防するとともに、市民、地域、市民活動団体、関係機関等との連携を強化し、人と犬や猫などの動物が地域でともに暮らしていけるよう、ペットとの暮らしによる健康づくりや適正飼養・終生飼養の促進、動物の殺処分ゼロをめざした取組を推進します。
4 豊かな恵みを次世代へ引き継ぐ自然環境と生物多様性の保全
市民が、豊かな自然環境に愛着を持ち、魅力を感じ、生物多様性が生み出す恵みや自然環境を次世代に引き継ぐために行動することができるよう、市民や企業、市民団体等と連携した取組を通じ、生物多様性への理解を深めるための啓発を推進します。
5 私たちにできる地球温暖化の防止
生活の快適性や事業の生産性の向上と温室効果ガス実質排出ゼロ(脱炭素化)に向けた活動を両立させることができるよう、環境に配慮した事業活動を促進するライフスタイルや省エネルギーに関する普及啓発の推進、市民や事業者の再生可能エネルギーの導入促進など、温室効果ガスの排出を抑制する「緩和策」に取り組みます。
地球温暖化によって深刻化する気候変動の影響に対応し、被害を回避・最小化していけるよう、市民や事業者の理解や行動を促し、台風や集中豪雨をはじめとする災害、熱中症への対策など「適応策」に関する普及啓発を推進します。
6 「環」をつなぐ環境教育の推進
身近でありながら地球規模にも広がり、次世代にも関わる環境問題の持つ多面性を市民や事業者が学び、理解し、「自分ごと」として考えて、持続可能な社会の実現につながる具体的な行動を実践できるよう、さまざまな主体がつながりの「環」を拡げ、あらゆる場での体験活動などを通じ、世界にも目を向けた広がりのある環境教育を推進します。
汚泥再生処理センターは、し尿等を適正に処理する機能に加え、市民や事業者が交流する場、環境と人権をテーマにした情報発信や啓発を行う場としての機能を強化します。
環境を守り続ける活動の担い手を育成するとともに、環境・健康・防災・教育などの分野をまたいださまざまな主体が連携・協力した活動を支援します。
3 基本構想の推進のための指針
すべての人が つながり 考え 創る みんなが主役のまち
政策5―1 基本構想の推進
■ 政策の目的(政策によってめざすまちの姿)
○人と人とがつながり、助け合い、支え合いながら、積極的に地域の課題解決に取り組むまち
○市民と行政が情報を共有し、信頼関係を築きながら、ともに市の魅力を発信し、安定的な行政経営が行われているまち
■ 施策とその方向性
1 みんなでつながる地域づくりの推進
少子高齢化が急速に進展する時代にあっても、住み慣れた地域で将来にわたって安心して暮らし続けることができ、多様な課題の解決に向けて地域住民が主体的に行動することができるよう、自治会や校区を単位とする地域コミュニティの活動を支援します。
子どもから大人まで誰もが地域づくりの担い手となり、地域コミュニティの活動を支えていくことができるよう、市民相互のつながりを深めるための情報提供や交流の場づくりを推進します。
市民活動団体が行う特定の課題解決のための公益活動を支援するとともに、地域コミュニティとのつながりづくりの支援などを通じ、地域の課題解決にともに取り組むパートナーを増やします。
地域コミュニティが子育て・教育・福祉・防犯・防災・環境などのあらゆる分野において今後も重要な役割を担うことを踏まえ、地域コミュニティと行政だけでなく、地域コミュニティ同士や市民活動団体、事業者、大学等の教育機関、行政などさまざまな主体の連携を強化し、一体となって地域の課題解決に取り組みます。
2 積極的な情報発信・情報共有とシティプロモーションの推進
広報紙やホームページの充実による市政情報の迅速かつ的確な提供や、即時性・拡散性の高いSNSの効果的な活用により情報発信機能を強化するとともに、市民の率直な意見を行政経営に生かすことができるよう、市民がまちづくりに参画し、意見交換できる機会を充実します。
「自分たちの地域は自分たちでつくる」という機運を高め、市民のまちづくりへの参加意識を醸成するとともに、市の魅力を市内外に発信し、市の認知度を高め、関係人口や定住人口の拡大を図るため、シティプロモーションを推進します。
市が保有する情報を情報公開制度により適切に開示することで、市政に対する市民の理解と信頼を深め、公正で開かれた市政を推進するとともに、市が保有する個人情報を適切に保護し、不正利用を防止します。
3 市民から信頼される持続可能な行財政運営
行政手続きのオンライン化やマイナンバーの活用などによる市民の利便性の向上とICT・AI等の活用による業務効率化の推進に取り組み、限られた人的資源を政策立案能力や専門性を必要とする業務に振り向け、行政サービスのさらなる向上につなげるとともに、誰もがデジタル化の恩恵を広く享受できる環境づくりを推進します。
公共施設の維持管理における将来的な財政負担を軽減、平準化し、安全で持続的な市民サービスを提供するため、公共施設の更新や改修、長寿命化を計画的に推進します。
障がいのあるなしや年齢といったそれぞれの属性や置かれた状況に関わらず、誰もが地域で安心して暮らしていけるよう、ユニバーサルデザインに配慮した公共施設の整備を推進します。
健全財政を堅持するため、適正課税の推進、収納率の向上、滞納整理の強化などによる安定した歳入の確保や財源の適正配分に取り組むなど、中長期的な視点に立った財政運営を行います。
経営資源の質的向上を図るため、人材の確保と育成、職員の行政経営能力の向上や組織力強化、行政マネジメントの推進による施策・事業の費用対効果の向上に取り組みます。