ひと育つ こが育つ
船原古墳(ふなばるこふん)1号土坑では、日本で3例目となる馬冑(ばちゅう:馬のかぶと)が見つかっています。平成28年10月29日に新聞等でも報道されたように、これまでの調査をとおしてこの馬冑に関する詳しいことが分かってきました。
馬冑は発見されたときばらばらの状態でしたが、九州歴史資料館で土やさびを落とし破片を組み立てる作業が行われた結果、当時の形が明らかになりました。馬冑は全長48.5センチメートルで、合計6枚の鉄板を鋲(びょう)でつなぎ合わせて作られています。
馬冑の発見例は、日本国内では和歌山県和歌山市の大谷古墳(おおたにこふん)と、埼玉県行田市(ぎょうだし)の埼玉将軍山古墳(さきたましょうぐんやまこふん)の2例、朝鮮半島の例を含めてもわずか20例ほどです。船原古墳の馬冑をそれらの例と比較したところ、(1)馬の鼻先や目の上にあたる部分の鉄板を立体的に加工している点、(2)鼻先から頬にかけての鉄板の端をなめらかな曲線状に加工している点、(3)馬冑を馬の頭に固定するためのベルトを取り付ける鉸具(かこ:ベルトのバックル)が合計5ヶ所に付けられている点、など他にはない特徴があることが分かりました。
また、馬冑の表面には馬冑を入れていた箱の木材とみられる痕跡が付着しており、これを調べたところ杉であることが分かりました。杉は日本固有種のため、国内で作られた箱に馬冑が納められていた可能性が高いといえます。
船原古墳で発見された馬冑
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