ひと育つ こが育つ
船原古墳(ふなばるこふん)1号土坑からは、きらびやかな馬具が多数見つかっていますが、令和2年11月13日以降にテレビや新聞等で報道されたように、出土品の調査を進めていく中で、「二連三葉文心葉形杏葉(にれんさんようもんしんようけいぎょうよう)」に、タマムシの翅を装飾に用いていることが明らかになりました。
杏葉とは、馬の胸やおしりの部分に垂れ下がる装飾を目的とした馬具です。船原古墳で発見された杏葉は、ハート形で二連三葉文(先が三方に分かれた植物を左右に配置した文様)を配置した金銅製の文様板が挟まれています。タマムシの翅は、この文様板の下に敷き詰められていました。きっと、復元CG画像のように文様の隙間からまばゆいばかりの輝きを放ったことでしょう。二連三葉文心葉形杏葉は、下の構造図に見るように分解できます。
玉虫装飾の馬具は、朝鮮半島では5世紀の新羅の王陵で見つかるなど、最上位階級者用の最高級品と考えられています。また、国内では、有名な法隆寺玉虫厨子のほか、世界遺産沖ノ島、正倉院中倉でタマムシの装飾が見られ、玉虫厨子及び沖ノ島出土品は、国宝に指定されています。船原古墳で見つかった玉虫装飾馬具も、国宝級の貴重な資料であるといえます。
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