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古賀市では、平成18年度より学校2学期制を実施しています。
このことにより、授業時数の確保や教育課程の在り方などについて創意工夫することができ、児童生徒の学力の向上や豊かな心の育成につながっています。
2学期制とは、1年間を4月~10月上旬(前期)と10月中旬〜3月(後期)の2学期で構成しようとするものです。
これによって学校の教育活動にゆとりを生み出し、通常の学習をこれまで以上に充実させたり、補充学習や発展学習などにおいてきめ細かな指導と評価を行ったりすることが可能になります。
前期:4月〜10月第2月曜日まで
後期:10月第2月曜日の翌日〜3月31日まで
Q1:2学期制とは何ですか。なぜ2学期制を導入するのですか。
A1:
2学期制は、1年間を4月〜10月上旬(前期)と10月中旬〜3月(後期)の2学期で構成しようとするものです。これによって学校の教育活動にゆとりを生み出し、通常の学習をこれまで以上に充実させたり、補充学習や発展学習などにおいてきめ細かな指導と評価を行ったりすることが可能になります。児童生徒に確かな学力を育てたり、先生方と児童生徒のふれ合う時間を増やそうとするものです。
Q2:2学期制をすでに導入しているところがあるのですか。
A2:
全国的にみても2学期制を導入している公立小中学校は増えてきています。文部科学省によると、2004年度に2学期制を実施している学校は公立小9.4%、公立中10.4%でしたが、2015年度には公立小20.6%、公立中19.6%にそれぞれ増加しています。
また、導入を検討している地域や、モデル校での試行導入を実施している地域も全国にたくさんあります。
Q3:2学期制には、どんなメリットがあるのですか。
A3:
実施している地域、学校等の情報から次のようなことが期待できます。
1.授業時数を多く生み出すことが可能になり、これまで以上にきめ細かな指導、学習を定着させる継続的な指導ができるようになります。
始業式等の行事の削減や事務的な仕事を削減したり時期を移動したりすることによって、1年間の授業時間数を約20時間程度(学校や学年によって時数は多少変わってきます)これまでよりも多く生み出すことができるようになります。
その結果、先生方に時間的ゆとりができ、授業のきめ細かな準備、児童生徒にかかわる時間の増加、学習を定着させる継続的な指導と評価など、様々な面で教育の効果をあげていく活動に繋げることが可能になります。
2.これまでの7月と12月の慌しさが軽減され、児童生徒、先生ともに落ち着いて学習や指導に専念できるようになります。
現在の学校の7月上旬、中旬は、評価問題の作成、実施、処理、通知表の作成、学期の反省、夏季休業中の生活指導等が集中し、先生にとっては慌ただしい期間となっています。特に中学校では、この時期中体連の試合前で、最も練習に熱が入る大切な時間でもあります。これが2学期制になれば、生徒は中体連期間中までは、中体連の練習や試合に集中することができ、中体連の大会が終了したあとに学期末テスト等に向けた勉強に励むことができ、7月までの学習を気持ちを切り替えて落ち着いて勉強することができます。
先生も夏休みをうまく活用することで、テスト問題の作成や通知表作成に向けての成績処理や事務処理を計画的に整理しておくことができ、日々の学習指導や部活動の指導に力を入れることができます。
また12月も7月と同じような慌ただしさがあります。特に中学校3年生にとっては、進路決定の大事な時期です。2学期制になれば、この時期の先生の事務処理が少なくなり、進路相談や進路指導に専念できるようになります。
3.夏季休業期間を効果的に活用することで、授業や各種教育活動に専念できる時間を増やし子どもにかかわる時間を増やすことができます。
学校の考えで、家庭訪問を夏休みに行うこともできます。春の家庭訪問には、春に行うよさがありますが、夏休みに家庭訪問を行うことには、次のようなよさが考えられます。4月〜7月までの子どもたちの学習や生活の様子を、先生からじっくり話してもらうことができます。夏休み前に通知表をもらいませんが、通知表での連絡以上の細かな話、個々の子どもにあった話を先生は行うことができます。また、これまでの4月、5月の家庭訪問では、「午後の授業がカットされてしまう」「家庭訪問期間は学校全体としての行事等が組みにくい」といった状況あったのですが、それを解消することも可能になり、授業時数もこれまでより増やすことができます。
さらには9月に備えて、夏休み期間中にテスト問題の作成や通知表作成に向けての成績処理や事務処理ができ、9月はじまってからの先生の仕事を整理しておくことができ、9月からは、より授業の充実に努めることができます。
4.長いスパンで児童生徒を観察し、評価することができます。
新学習指導要領では、学校は意欲や態度等も含めて絶対評価を行うことになっていますが、この評価を行うためには、比較的長期間にわたる細かな観察と指導の記録が必要になってきます。2学期制によって通知表による家庭への連絡は、3回から2回に減りますが、前期、後期約5ケ月、長期的に児童生徒の向上や変容を評価し、家庭へ連絡していくことができます。児童生徒の学習や生活の様子について、通知表において保護者に伝える情報量が減ることについては、夏休みの家庭訪問や個人面談、各種通信を工夫し、これまで以上の充実を目指していきます。
この他にも学校の取り組みの工夫によって、様々な教育効果を生み出すことが可能です。
Q4:2学期制にデメリットはないのですか。
A4:
実施している地域、学校の情報では、2学期制導入に関しての不安やとまどいが一部見られるようです。しかし、子どもの学力保障や授業の遅れ、授業時数の減少、教師と子どものかかわり等、子どもの側にたった教育といった観点からは、デメリットはほとんどありません。強いてあげるとするならば、児童生徒の学習や生活の様子についてお知らせする通知表での家庭連絡が3回から、2回に減るということです。しかし、このことは2学期制のメリットとしてもとらえられています。2学期制による通知表では、前期、後期約5ケ月と長期的に児童生徒の向上や変容を評価し家庭へ連絡することができます。新学習指導要領では、絶対評価(子どもどうしを比べて一定の比率で評定を出すのではなく、学習の目標に到達しているかどうかで評定する方法)を行うことになりましたが、この評価は、比較的長期間にわたる細かな観察と指導の記録が必要になってきます。絶対評価を十分なかたちで行おうとするならば、2学期制の方が行いやすいということがいえます。家庭に連絡する情報が量的に減ることについては、家庭訪問や個人面談、各種通信を工夫し、これまで以上の充実を目指していかなくてはなりません。
Q5:子どもたちの学校生活は、2学期制になって、どのようなところが変わるのですか。また、とまどいが起こったりするのではないですか。
A5:
はじめて2学期制を聞く人にとっては、何か大変な変化が起こるのではというイメージがあるようですが、そんなに大きな変化が起こるわけではありません。
3学期制から2学期制になって、子どもたちに起こる変化は、これまで夏休み前、冬休み前にもらっていた通知表が前期の終わり(10月)にもらうようになります。そのことについては、はじめは慣れないかもしれませんが、子どもたちが困ったり、とまどったりするようなことではありません。
授業を受けることやその他の学校での活動において、大きな変化はほとんどありません。むしろ、中学校の7月の部活動などは、先生の夏休み前の事務処理等で部活の指導をしてもらえなかった状況が、通常通りの形で指導してもらえるようになります。
Q6:学力が低下するのではありませんか。
A6:
学力の向上を目的とした2学期制であって、これまでと比べて学力が低下するということはありません。その理由としては次のようなことがあります。
○学習内容はこれまでとまったく変わりません。時間数が増える分、補充や発展の学習内容が増えることはあります。
○学習の年間指導計画もこれまでとほとんど変わりませんし、進度が遅れることもありません。
○1年間の総授業日数もこれまでとまったく変わりません。
○先生方の授業方法も基本的に変わりません。先生方に少しゆとりができる部分、授業の充実が図られ、子どもとかかわる時間も増えます。
Q7:地域や保護者への説明をどのように行っていきますか。
A7:
古賀市では平成18年度より2学期制を実施していますが、実施にあたっては平成15年度の小学校1校での試行導入、平成16年度からの市内全小中学校での試行導入など、十分な研究・検証をしてきました。この間、2学期制について保護者への説明も行っています。
現在、古賀市では2学期制が定着していますが、小学校入学説明会において保護者への説明を行うほか、今後も必要に応じて、学校通信や参観日に伴う懇談会等を利用し説明をしていきます。
Q8:3学期制に何か問題があったのですか。
A8:
3学期制は、日本の気候や風土にあった伝統ある制度で、この制度そのものは素晴らしく否定するものではありません。
ただ、次のような状況が今学校にあります。学校週5日制になって、先生方が非常に忙しくなっています。その影響は、子どもとふれ合う時間が少なくなるなどの状況として現れてきています。また、学校週5日制になって、3学期の授業日は、実質50日ほどになりました。小学校高学年の図工や音楽といった教科は、3学期、時間数にして12時間程度、単元にすれば2〜3単元で評価を行わなければならず、評価を行うことが難しい状況があります。
このようなことが、2学期制をすることによって緩和できます。
Q9:中学校の入試に関わる調査書については、問題はないのですか。
A9:
一般に、高校入試に関わる調査書は、12月初旬の三者面談(進路相談)後、12月中旬から下書きを始めます。私立高校については12月末から清書をし、願書とともに1月中旬に高校側に提出します。公立高校についても年明け早々に清書を開始します。そして、2月中旬に願書とともに高校側に提出します。
入試に関わる事務には変化はありませんが、2学期制が導入されると、先生方にとっては、12月における成績処理や通知表作成にかかる膨大な事務がなくなるため、これまで以上に生徒や保護者との綿密な三者面談(進路相談)が可能となりますし、余裕をもった調査書の作成が可能となります。
Q10:県下の中体連等への行事の影響はありませんか。
A10:
中体連の大会は部活動生徒にとっては最大の関心事と思います。例年大会は7月20日前後に粕屋区大会、7月25日前後に筑前地区大会、8月1日前後に福岡県大会、8月8日前後に九州大会、8月23日前後に全国大会が行われます。3学期制のもとでは、7月になると先生方は学期末の成績処理や通知表作成のために多くの時間をとられ、放課後の部活動の指導にあたることが厳しい状況でした。2学期制が導入されると、先生方に時間的なゆとりができ、大切な総仕上げの時期である7月に、部活動の指導にもじっくりと腰を据えてあたることが可能となります。また、夏休み期間中の部活指導についてはこれまでと変わりはありません。
Q11:特に中学校の先生にゆとりができると言われますが、どういうことですか。
A11:
小学校と比べると中学校の教師にとっては、成績処理に関する内容、部活動に関する内容、進路指導に関する内容の仕事が集中していた7月と12月にゆとりができます。仕事の集中される時期が分散されるということです。一方で9月末から10月にかけては成績処理や通知表作成等の仕事が加わりますが、年間を通して、意図的・計画的な学習指導や生徒指導・進路指導等が可能となり、学校教育のなお一層の充実が期待できます。
学校教育課
学事係
電話:092-942-1130
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