ひと育つ こが育つ
現在のページ
河川の土手に土筆が頭を出し、桃の花もふくらみはじめると、もう春―。
山菜を摘み、たけのこが掘れるようになるころ、五所八幡宮の桜も満開を告げます。
昔は、ひなまつりや免状寄り合いなど、親戚や地域で子どもの成長を祝う催しが多数あり、そのごちそうにと、ワラビやぜんまい。
土筆や菜の花をかごいっぱいに摘んでいました。
女の子が生まれて初めて迎える桃の節供には、すこやかな成長を祈って、親戚や近所の人たちを招いてお祝いをしました。
現在は、3月3日に行われていますが、もともとは4月3日に行われていました。
◎ひしもち
女の子の幸せを祈る色合いにと、紅(厄払いの色)・白(清らかさの象徴の色)・緑(ヨモギ)(春の生命力に溢れる若草の色)を三段に重ねられています。
ひしもちの切れ端をさいの目に切って干し、炒って砂糖を絡めてひなあられを作り、お茶菓子として食べました。
初節句の女の子の家は、桃の花の枝を添えて近所に配りました。
◎ちらし寿司
錦糸卵の黄色、紅生姜の赤、フキの緑色に、筍のクリーム色や椎茸など、多彩なので、ひなまつりに限らず祝い事などにもってこいの一品です。
◎はまぐりの吸い物
昔から二枚貝には「姫」の意味があり、はまぐりは他の貝とは重ね合わないため、「夫婦和合」の象徴とされました。
将来、はまぐりのように、相性がぴったりとあう相手と縁があり、一生添い遂げられるようにとの願いがこめられています。
◎せんぶぎまげ
ゆでたせんぶぎ(ワケギ)を巻いて、酢味噌をかけていただきます。
村人たちが、氏神様や天神様に集まり、農作業の安全と豊作を祈願しました。境内にござを敷いて、座を組み、お酒やごちそうを楽しみました。
日中に境内に籠もることから「日籠もり」と言います。
家族ごとに‘わりこ’という弁当箱に思い思いのごちそうを盛って神様に供えました。
現在は、公民館で行われている所が多いようです。
男の子の健やかな成長を願って祝う年中行事です。
◎菖蒲湯(ショウブユ)
端午の節供には、菖蒲(ショウブ)を湯船に入れた菖蒲湯につかります。菖蒲の葉は香りが強く、その強い香りが病気や災いを払うとされていました。
またショウブは「勝負」や「尚武(武道や武勇を重んじること)」に通じることから、菖蒲湯には、男子の健康と、武道の上達や勝負強さを祈願する意味があるのです。
◎ちまき
もち米粉に砂糖をくわえ水でこね、笹の葉でくるみ、菖蒲の葉でくくってセイロで蒸します。
免状とは通知表のことです。3月の終業式の日に新一年生を迎えて、最上級生の家に一泊しました。
各自、米を持参して、昼、全員で採ってきたつくしを卵とじなどにしてもらって食べました。
主に、新一年生の歓迎と、無事、卒業・進級したことを祝っての催しでした。
◎ ぼっかけ(サラサラ)
濃い鶏ガラスープに塩と薄口しょうゆで味をととのえ、小ねぎのみじん切りを散らす。
スープをご飯に直接かけて熱いうちに食べる。
好みで溶き卵を流し込んでもよい。
春はねぎの代わりに、セリを入れると香りがよい。
宴の最後の合図ともなりました。
◎フキの佃煮
葉をとったフキを長いまま流水に一晩つける。
4~5cmの長さに切り、砂糖・しょうゆ・出し昆布・いりこを入れ弱火で煮る。
汁がなくなるまで弱火で半日ほど煮込む。
◎新ごぼうの甘辛煮
新ごぼうの皮をタワシでとり、5cm長さに切って4つ割りにする。
酢を入れた湯でさっちゆでる。
サラダ油を入れた鍋でごぼうを炒め、しょうゆ・砂糖・みりん・出し汁を入れ煮込む。
仕上げに酢・ごま油・唐辛子をいれる。