ひと育つ こが育つ
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9月の声を聞くと、急に日が短くなり涼しい風が吹き、草むらからこおろぎや鈴虫の鳴き声を運んでくるようになります。
柿も色づき秋祭りもたけなわとなるころ、黄金色の稲穂のとりいれ、みかんの収穫が始まり、忙しい日々が続きました。
お彼岸には春彼岸と秋彼岸があり、春分の日と秋分の日それぞれを中日として、その前後3日間を合せた7日間のことです。
春分と秋分は昼夜の長さがほぼ同じ時間になる日で、仏教では、彼岸(生死の海を渡って到達する悟りの世界)は西に、此岸(私達がいる世界)は東にあるとされており、太陽が真東から昇って真西に沈む春分と秋分は、彼岸と此岸がもっとも通じやすい日として先祖供養するようになりました。
また春の種まきや秋の収穫時期とも重なり、自然に対する感謝や祈りがご先祖様に感謝する気持ちにもつながって、お彼岸は大切な行事となりました。
春分の日・秋分の日は国民の祝日でもあり、祝日法によるとそれぞれの趣旨は
春分の日=自然をたたえ、生物を慈しむ日
秋分の日=先祖を敬い、なくなった人々を偲ぶ日とあります。
◎おはぎ
炊いたもち米をすりこぎでつき餅を作り、練ったあんでくるんだものです。
彼岸にはおはぎを作り仏壇に供えたり重箱に詰めて親戚に配ったりします。
春の彼岸は、牡丹の花が咲く頃なのでぼたもちといい、秋の彼岸は、萩の花が咲く頃なのでおはぎと言います。
◎精進煮しめ
彼岸に訪れた客には、ちらし寿司や、さといも・厚揚げ・ごぼう・しいたけなどの野菜で精進煮しめをしてもてなしました。
海の幸、山の幸、五穀豊穣に感謝し、さらに商売繁盛や交通安全を祈願します。
地域によって放生会の個性があり、子ども相撲や剣道が奉納されたり、境内では子供たちによる演芸がおこなわれたりします。
放生会のときには、親戚や知人を招いて、甘酒、あんもち、がめ煮などでもてなしました。
※開催日…9月18日筵内(須賀神社)・9月28・29日古賀(古賀神社)10月4日5日青柳(五所八幡宮)
◎栗おこわ
秋の祭行事には、栗おこわで客をもてなします。
ささがきにしたごぼう・せん切りにしたにんじん・小房にわけたしめじ・細切れにしたかしわ・短冊に切った筍をサラダ油をしいた中華鍋でよく炒め、出し汁・酒・しょうゆ・塩・砂糖・出汁の素を入れ、最後にしめじと栗を入れます。
といでぬるま湯に30分つけたもち米の水をきって入れ、汁がなくなるまでよく炒めます。蒸し器で20分ほど蒸します。
◎とろろ汁
山芋をおろし金ですりおろし、すり鉢でつぶがなくなるまで更にすりつぶします。鍋にだし汁・味噌を煮立てた後、冷まします。
山芋のなかに出汁を少しずつ入れながらのばします。熱いごはんや麦ご飯にかけていただきます。
◎牛乳炊き
しぼりたての原乳を布でこし、鍋に原乳・塩・ぶつ切りにした骨付きかしわを入れ、柔らかくなるまで煮ます。
白菜・生しいたけ・ほうれん草・豆腐を入れ、煮えたらできあがりです。
最後にスープやおじやにするとおいしいです。
◎かしわの石瓦煮
青柳では、酒の肴として、行事などでよく食べられます。
厚手の鍋に、一羽丸ごと骨ごと一口大にぶつ切りにしたかしわと砂糖を入れ煮込みます。水分が出て、鍋いっぱいに泡立つので、水は入れません。
1時間ほど煮込むと煮汁がなくなるので、しょうゆ・スライスしたにんにく・唐辛子を加え、ふたをせず煮絡めます。
◎干し柿
渋柿は枝を残して収穫します。先端の皮を残してむきます。
カビを防止するため2個づつ結んで熱湯にさっとつけます。
北風のあたる風通しのよい軒下につるします。少しかわいてきたら随時手でもむとおいしくなります。
◎冷蔵庫で保存すると硬くなりません。
◎かたくなったら、焼酎と砂糖につけるとよいです。