ひと育つ こが育つ
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木枯らしが吹きつけ木々の葉が落ち、冬の気配が深まってくる12月、青柳で生まれた特産の「山見坂ネーブル」の出荷がピークを迎えます。
大根を干し、冬支度の漬物つけに、もちつきや正月の準備にあわただしくなりました。
天神様で五穀豊穣を感謝する寄り合いで、現在では公民館で行っているところもあるようです。
以前は、前日に各家々から一升ずつのもち米を持ち寄り、座元(当番の家)で餅をつき、紅白の鏡餅にして天神様に供え収穫のお礼をしました。
天神座では、残りの餅を雑煮にした他、がめ煮や和え物も食べて祝いました。
北九州・若松の石炭積み出し船の景気の良さにあやかって、五穀豊穣に感謝して始まったといわれている恵比寿神社のお祭りです。
座元(当番の家)は、料理や酒を準備し、全員揃うと木製の札を配り、威勢よく「うちこみ」といわれる手締めをして、宝笹や鯛を当てました。恵比寿様では、がめ煮・ぬたえ・かしわ飯を食べ、お酒をいただいてにぎわいました。
牛(家畜)に感謝し、豊作を祝う家庭の催しで、農家にまつられている荒神様の下に臼を置き、この上に「手みい」を乗せ、大根なますやあずきご飯を供えました。
供え物の横にむしろを広げ、家族で座を組み夕食を楽しみました。
現在は農作業が機械化され、農耕牛がいなくなったため、ほとんど行われていませんが、昔は年末に餅をついた時に、「食み(はみ)」といっしょに牛に12個のつきたて餅を食べさせていました。
祝いの席に欠かせないものとして、酒と並んで餅があります。
昔は冠婚葬祭には必ず餅をついていました。
前日からもち米をとぎ水につけ、セイロなどを準備して早朝から家族全員で、蒸す人・つく人・まぜる人・ちぎって丸める人など手分けして、丸一日かけてついていました。
正月の雑煮や鏡餅用に年末に餅をつきますが、杵と臼でつく家はめっきりと減りました。
元旦には、家族揃って新年の挨拶をかわし、まず、お屠蘇を回し、雑煮、黒豆、数の子などを食べます。
新しい年が良い年でありますようにと願っての正月料理に舌鼓を打ちます。
◎雑煮
さといも・にんじん・ごぼうは皮をむき、一口大に切って下ゆでします。しいたけは水に戻し、かつお菜はゆでて3cm長さに切ります。
大根は皮をむき、薄い輪切りにします。以上の具を一人分ずつ竹串に刺しておきます。
干しあごと昆布で出汁をとり、塩・酒・しょうゆを加えたものにブリとかしわを入れ、竹串の具と一緒にひと煮します。
別の鍋に昆布を敷き、丸餅を柔らかくなるまで煮ます。
お椀の下に大根の薄切りを敷き、もちをまず入れ、串でつないだ具を抜いて並べ、かつお菜と熱い出し汁を注ぎます。
*大根の薄切りは、餅がお椀にくっつかないようにするためです。
*雑煮につかうブリは、出世魚で縁起がいいことから、正月に良く使います。
*昔は強塩をして軒下につるし、食べる分だけ切っていました。
◎黒豆
「豆々しく働くように」と願って、お正月に食べられます。
さび釘を洗いガーゼに包んで、よく洗って塩水に一晩おいた黒豆に入れ、強火にかけ煮立ったら弱火にして泡を救います。
随時、差し水をしながら、落し蓋をして親指と小指でつまんで潰れる程度まで柔らかく煮ます。砂糖を加え10分煮て、再度砂糖を加え10分煮て、しょうゆを加えます。
◎かずの子
子孫の繁栄を願って食べられます。
塩かずの子を一晩水につけて塩抜きし、薄皮を丁寧に落とします。
薄口しょうゆ・出し汁・みりんに唐辛子を入れて沸騰させ、冷ました後、数の子を漬け込みます。
◎福入りぞうすい
1月4日に正月三が日のごちそうの残りものを集め、雑煮の残り汁の中にごはん、餅を入れて炊きます。
福が入ってくるように願って食べるので「福入り」と言います。
◎かきもち
蒸したもち米を、塩・炭酸・砂糖・溶き卵を少しずつ真ん中から入れながら餅をつきます。つきあがった餅をもち粉をまぶすかラップをひいたもち箱に一昼夜入れ、厚さ5mmぐらいに切ります。
切った餅をもう一度、箱に入れてふたをして1~2日おき、新聞紙にひろげて陰干しします。食べる分だけ焼いていただきます。
*かきもちに入れる‘具’のいろいろ*
ごま・のり・ピーナッツ・黒豆・レモン・桜海老・わかめ・ゆかり・青じそ・しょうがなど家族に食べさせるために家々で工夫して作っていました。
◎白菜の漬け物
よく洗った白菜を4つ割りにし、半日、陰干しします。
樽に塩と白菜を交互におき、重石をのせ、2~3日漬けます。
樽の中の水かさが1/2ぐらいになったら白菜をあげます。
甘漬けの場合は、さらに白菜1kgあたり塩7.5~10g、辛漬けの場合は、白菜1kgあたり塩25g加えて本漬けします。
このときに好みに合わせて唐辛子やみかんの皮、昆布などを加えます。
◎たくあん
洗った葉付き大根を風通しの良いところに干します。
しんなりしたら葉を切り落とし、大根を板の上でもみます。
樽に大根を隙間なく並べ、間は葉で埋め、塩・ぬか・砂糖・大豆をよく混ぜ合わせたものをふりながら交互に積み重ねます。
最上段に大根の葉を広げ、押し蓋をして重石を乗せます。
20~30日間ほど漬けたらいただけます。