○古賀市まちづくり基本条例

平成29年6月30日

条例第12号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 市民等・議会・行政の役割(第6条―第8条)

第3章 まちづくりの基本的事項(第9条―第12条)

第4章 行政運営(第13条―第16条)

第5章 実効性の確保(第17条・第18条)

附則

古賀市は、国の史跡に指定されている船原古墳、緑豊かな犬鳴の山並や白砂青松の花鶴浜など、歴史遺産と自然に恵まれ、文化の伝承も大切にされている心豊かな地方都市です。また、古来より人や物が行き交う交通の要衝となっており、多様な人々が集い、様々な場で交流が盛んに行われていることも、古賀市の誇るべき財産となっています。

私たちは、英知を傾けてこれら地域の歴史、文化を守り育て、古賀市の誇りを次世代に引き継いでいきたいと願っています。

しかし、少子高齢化の進行、地方分権社会の進展などにより、私たちを取り巻く環境は急速に変化しています。そのなかで、心豊かな子どもたちが育つ、安全で安心して暮らせるまちをつくり、未来に残していくためには、議会、行政はもとより、市民一人ひとりがまちづくりの担い手として、これまで以上に人や地域の結びつきを強め、信頼関係を構築し、お互いに協力し合いながら、前向きに取り組んで行くことが不可欠です。

私たちはここに、古賀市におけるまちづくりの担い手の役割を明らかにし、私たちのまち古賀市が「これからもずっと住み続けたいと誇れるまち」となるように、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、まちづくりの基本的事項を定め、市民等、議会及び行政がそれぞれの役割を果たし、相互に連携し、市民が住み続けたいといえるまちの実現を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) まちづくり 住みよいまちをつくるための公益的な活動をいう。

(2) 行政 市長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び公営企業管理者の権限を行う市長並びに当該機関の職員をいう。

(3) 自治会 良好な地域社会をつくるため、市内の一定区域内の市民によって主体的に組織された団体をいう。

(4) 校区コミュニティ 良好な地域社会をつくるため、市内の小学校区内の市民、自治会及びその他の団体等によって主体的に組織された団体をいう。

(5) 市民活動団体 特定非営利活動法人、ボランティア団体その他の共通の目的を持つ人が集まり、自主的・自発的に公益的な活動を行う団体であって市内で活動するものをいう。ただし、主として営利を目的とした活動、政治的活動及び宗教的活動を行う団体並びに自治会及び校区コミュニティを除く。

(6) 事業者 市内で事業を営む個人又は団体(市民活動団体を除く。)をいう。

(7) 市民等 次のいずれかに該当するものをいう。

 市内に住所を有する者

 市内に通勤又は通学する者

 自治会

 校区コミュニティ

 市民活動団体

 事業者

(8) 市民参画 行政が実施するまちづくりにおいて、事業の企画、実施又は評価等について、市民等が自主的に意見を述べ、又は提案を行う等直接関与することをいう。

(9) 共働 市民等、議会及び行政が果たすべき責任と役割を自覚し、共通の目標に向かって、対等の立場で、自己責任に根ざす自律した活動を通し、相互に補完し合い、相乗効果をあげながら、様々な社会的課題の解決に当たることをいう。

(10) コミュニティ活動 市民等が地域又は共通の目的によってつながり、自主的に行うまちづくりであって、団体として行うものをいう。

(まちづくりの基本理念)

第3条 市民等、議会及び行政は、次に掲げる基本理念によりまちづくりを推進する。

(1) 相互に連携し、古賀市民憲章(昭和60年11月告示第63号)に基づくまちづくりに取り組む。

(2) 先人が築いてきた地域の歴史、文化及び英知を大切にし、次世代に引き継ぐとともに、相互に人権を尊重し、共に支えあう地域社会の形成に取り組む。

(3) 相互の自主性及び自律性を尊重しながらそれぞれの責任と役割を果たし、まちづくりに取り組む。

(まちづくりの基本原則)

第4条 次に掲げる事項を本市のまちづくりの基本原則とする。

(1) 情報共有の原則 まちづくりに関する情報を共有すること。

(2) 市民参画の原則 市民参画により行政運営が行われること。

(3) 共働の原則 共働してまちづくりに当たること。

(条例の位置付け)

第5条 この条例は、本市のまちづくりの基本的事項を定めるものであり、他の条例、規則又は行政計画(行政が策定する様々な計画をいう。以下同じ。)等を定めるに当たっては、この条例の趣旨を尊重し、整合性の確保を図る。

第2章 市民等・議会・行政の役割

(市民等の役割等)

第6条 市民等は、自らがまちづくりの担い手であることを認識し、積極的にまちづくりに関わるよう努める。

2 市民等がまちづくりに取り組むに当たっては、自発的意思が尊重されるものとする。

3 市民等は、まちづくりに取り組むときは、自らの発言及び行動に責任を持つものとする。

(議会の役割等)

第7条 議会は、選挙で直接選ばれた議員で構成する議事機関としての役割を担う。

2 議会及び議員活動その他必要な事項については、古賀市議会基本条例(平成25年条例第33号)に定めるとおりとする。

(行政の役割等)

第8条 市長は、選挙で直接選ばれた代表者として市を統轄する。

2 市長は、効率的で公正かつ透明性の高い行政運営を行う。

3 職員は、全体の奉仕者として、職員間の情報共有・連携を図りながら公平かつ公正に職務を遂行する。

第3章 まちづくりの基本的事項

(情報共有)

第9条 市民等、議会及び行政は、信頼関係の構築のため、情報共有の推進に努める。

2 自治会、校区コミュニティ、市民活動団体及び事業者は、まちづくりに関する情報を積極的に発信するとともに、共有するよう努める。

3 行政は、市民等が必要とする情報の把握に努めるとともに、まちづくりに関する情報を積極的に発信する。

(市民参画)

第10条 市民等は、自発的意思に基づいて、市民参画することができる。

2 行政は、市民参画の機会を確保するため、その環境の整備に努める。

(共働)

第11条 市民等、議会及び行政は、対等な立場で相互に理解を深め、共働のまちづくりの推進に努める。

2 市民等、議会及び行政は、相互連携がまちづくりの新たな展開及び発展を生むことに鑑み、対話及び交流の機会の提供に努める。

(コミュニティ活動)

第12条 自治会は、その区域内のまちづくりを実践する主体として、市民の交流・親睦を促進する活動を行うとともに、身近な暮らしに関わる課題の解決に取り組むものとする。

2 校区コミュニティは、小学校区内の市民、自治会、小中学校及び市民活動団体等の交流・連携を促進する活動を行うものとする。

3 自治会、校区コミュニティ、市民活動団体及び事業者は、それぞれの特性を生かしながら、連携・協力してコミュニティ活動の推進に努める。

4 市民等は、自治会活動をはじめとするコミュニティ活動がまちづくりの担い手としての意識を育むとともにまちづくりに寄与していることを踏まえ、コミュニティ活動に参画・協力するよう努める。

5 行政は、コミュニティ活動の円滑化及び活性化を図るため、自治会、校区コミュニティ、市民活動団体及び事業者の主体性を尊重し、その自主性及び自律性を損なわない範囲で、コミュニティ活動に対する支援を行うよう努める。

第4章 行政運営

(基本構想)

第13条 市長は、総合的かつ計画的な行政の運営を図るため、基本構想を策定する。

2 基本構想の策定に関し必要な事項については、古賀市基本構想の策定に関する条例(平成23年条例第16号)に定めるとおりとする。

(行政計画)

第14条 行政は、行政計画の策定に当たっては、市民参画の機会の充実に努める。

2 行政は、行政計画の適切な進行管理を行う。

(意見等の取扱い)

第15条 行政は、行政運営に反映させるため、市民等の意見を広く聴く機会の充実を図る。

2 行政は、市民等から行政運営に対する意見、要望又は提言等を受けたときは、適正かつ公正に対応する。

(附属機関等)

第16条 行政は、附属機関等の委員を選任するに当たっては、公募等により幅広い層の市民等から選任するよう努める。

第5章 実効性の確保

(条例の推進・検証)

第17条 市長は、この条例の推進及び運用状況の検証を行うため、古賀市まちづくり基本条例検証委員会(以下「検証委員会」という。)を置く。

2 検証委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、市長が定める。

(条例の見直し)

第18条 市長は、この条例の施行後4年を超えない期間ごとに、社会情勢の変化を勘案し、この条例の規定について検証を加え、その結果に基づいて必要な措置を講じる。

2 市長は、前項の検証に当たっては、検証委員会に諮問する。

この条例は、平成29年4月1日から施行する。

古賀市まちづくり基本条例

平成29年6月30日 条例第12号

(平成29年4月1日施行)